1:打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載 ビートル 11/21 20:14 『なだいなだのサロン』のコラム、『打てば響く』を転載します。 なだいなだのサロン http://www5.ocn.ne.jp/~nadashig/ 打てば響く http://www5.ocn.ne.jp/~nadashig/page008.html 2:打てば響く 2007年11月6日分 転載 ビートル 11/21 20:17 11月6日 ちくまから出した、老人党宣言の本が、絶版になるそうです。もう歴史的な存在になってしまったのかもしれません。まだ読んでいない人は、ここで読んでみてください。書かれていることと、現在と比較してみることは、自分の口からいうのもなんですが、希望を与えるのではないかと思います。 安倍首相の突然の辞任からまだ2ヶ月もたっていないのにこのドタバタ騒ぎはなんでしょう。老人党宣言が出る前に、予測できた人はどれだけいるでしょうか。参院の与野党逆転の結果がこのような形になっていることは、当時の日本で老人党以外に考えられたでしょうか。 話は跳びます。 今回の小沢、福田会談とそれに続くお芝居には、おそらく、なにか裏があるのでしょう。数年たつと、あの時、実はこうだったという、裏面史が書かれるのでしょう。ただ、だれかの画策通りには、ことが運んでいないようです。画策しようにも、注目が集まってしまっていて、大胆な動きが取れないのでしょう。 ハラハラしたって血圧が上がるばかりです。老人党は、ここは高みの見物といきましょう。 遠いパキスタンで起きていることは、国際社会と呼ばれるところで、何かが画策されることがよく分かります。ムシャラフ軍人大統領の力が衰え、核を持つイスラム国家の権力が、イスラム過激派の手に、選挙の結果、民主主義的に移譲される可能性が何年か先に見えてきた。そこで海外亡命中のブット元首相とムシャラフ大統領の連合が画策されたとぼくは考えます。無理な連合です。ムシャラフ大統領の属する国軍はクーデタを起こし、ブット元首相の父を死刑にした(形式的には裁判で死刑の判決が出たのだが、当時の将軍独裁者ジア・ウル・ハク指示だったといわれる)、いわば彼女の親の仇の軍の代表です。彼女も亡命せざるを得なかった。互いに、簡単に打ち解けて連合できる相手ではないのです。もちろん進んで二人が協力し合うはずがない。裏で何かが画策されたのでしょう。帰国した途端、ブットの暗殺が企てられ、現在はムシャラフによって戒厳令が布告されています。軍政に逆戻り。反対派はみな拘束。ミャンマーを非難した国際社会なるものは、ムシャラフを非難していますが、ミャンマーへと同じような圧力をかけようとはしません。またまた二重基準です。 こういう情勢を見ていると、日本にも国際社会なるものから、何らかの画策がなされていると考えたくなります。 日本が国際貢献を求められているという言い回しを日本の政治家はするが、ずばり言えば、米国の一超大国体制への貢献のことです。世界で国際貢献を求められていないのは、米国だけです。小沢も、国連に協力して自衛隊を海外に送るというなら、なぜアフガニスタンで、アフリカのダルフールではないのでしょう。 中東の不安定状態は、イスラエルの建国から始まった。 友人のユダヤ系イギリス人の医者が、大阪での学会の帰りにぼくの家に寄って泊まっていきましたが、かれはイスラエルのパレスチナの67年の六日戦争の占領地から、軍隊を引き上げ、パレスチナ国家を認めることが、唯一の中東平和の解決策だといっていました。かれはエジプト生まれのラビの家系のユダヤ人です。アラブ系の人たちに友人も多い。 ぼくの叔母は、「67年の六日戦争は、勝ったのではなく最大の敗北だ」といっているよ。かれはそういいました。現在のイスラエルの政策に批判的な平和を願うユダヤ人も多いことを知りました。実は、イスラエルのことに触れて、40年来の友情を損ねてはと、かれの滞在中はイスラエルという言葉はださないようにしようと気を使っていたのですが、かれに先回りしていわれてしまい、ほっとしました。 3:打てば響く 2007年11月21日分 転載 ビートル 11/21 20:18 11月21日 すでにお分かりだろうと思いますが、老人党のサイトが新しいものに移行しました。 旧サイトは、最初のサイトの提供者から、継続を断られ、インターネットのことは全くの素人のぼくが困り果てていたとき、ハンドルネームしんわんさんが、提供してくれて、老人党活動を窮境から救ってくれて以来のものです。機能的に新しい状況に対応できなくなってきたために、新サイトと交代することになりました。しんわんさんにあらためて感謝の意を表したいと思います。 新サイトは、ハンドルネーム ビートルさんが主になって、スタッフの皆さんと合議して作って下さったもので、なんどもリハーサルを繰り返し、改良してきたもので、印象も、使い勝手もその結果が現れているのではないかと思います。ビートルさん、スタッフの方々、ほんとうにご苦労さんでした。 このサイトは、いわばインターネット上の公園ないしは公共の広場のようなものです。公園、公共の広場には、おのずとそれにふさわしい使用者のマナーがあるもの。それに従ってください。といっても、ぼくの理想とするところは、スクランブル交差点の人々のマナーです。ルールは信号だけ。でも、だれの命令も受けずに、自主的に、混乱なく、横断していきます。 管理者をあまりわずらわすことなく、この広場を使って、自由に意見を交換してください。 次の話題に進む前に。 前回のコラムのパキスタン情勢に関する部分に、ちょっと不正確なところがあることを、掲示板で指摘されたので、少し手を入れました。読み直してください。 さて、 今日から、外交官を除く前入国者から指紋を取り、顔写真を撮ることになりました。タダでさえ諸外国と比べると、倍も時間がかかると不評だった日本の入管窓口ですが、さらに時間がかかることになり、旅行者の不満はピークに達しています。12時間も飛行機に乗って、ようやく着いた人が、一時間も一時間半も立って待たされる。考えてもみてください。BBCでも、「テロ対策というけど、日本でこれまで起ったテロは外国人によるものでない。オウム、赤軍派、みな日本人ではないか。どうして日本人に対してテロ対策をとらないのか、これは外国人差別ではないか、というコメントと、オウムの地下鉄サリン事件のシーンをビデオで流していました。外国からの旅行者が減って、日本の旅館の人たちから、悲鳴があがるのが目に見えます。苦情は鳩山(弟)法相のところまで。 来年は、サミット。世界からたくさんのジャーナリストが日本に来ますが、この指紋と写真の制度をどう報じるか。このような制度を取り入れたのは、アメリカ以外では日本がはじめて。このシステムの導入で談合や汚職がなかったことを祈ります。この機械システムはどこの会社製なのでしょう。接待ゴルフはなかったのかな。長い行列の末に、機械の上に現れるウエルカムの文字、なんとも皮肉ですね。 4:打てば響く 2007年 12月19日分 転載 ビートル 12/20 01:03 12月19日 明日から、パリに行きます。 パリから、このサイトの更新ができれば、やってみたいと思いますが、ぼくにそんなことができるかどうか。とりあえず、ノートパソコンを持って行きます。 このところ、幸いに大病はしませんが、足が痛い、手が痛い、腰が痛い、といった具合で、押し寄せる小病と、格闘しています。11月は踵が突然痛くなり、歩けない状態に。せっかく歩いて痩せた6キロの貯金を食いつぶす結果となり、それがひびいて、主治医から、糖尿の数値が悪くなった、と警告されることに。フランスには足専門の医者もいるので、診てもらおうかと思っています。これも経験。 ただ踵痛は、比較的若い人、運動のしすぎの人に出るということで、すぐ年のせいにされないだけましということです。 さて、日本の政治状況は、ねじれ国会と称するマスコミによって、異常な状態のように思わせられていますが、二院制をとる場合、ねじれは、必然的に通過せねばならない、正常な状態です。これで急激に、政権交代が、天地がひっくり返るような形で行われないわけで、これまでのように、与党が横暴に法案を通せなくとも、慌てる必要はどこにもありません。 それより世界情勢に目を向けましょう。「イスラエル・ロビー」という本を読みましたが、この本はアメリカではイスラエル・ロビーによって出版が難しかったものが、英国の出版社の協力で日の目を見たものです。よくも書いた、と感心したら、あなたが、イスラエル・ロビーのアメリカにおける影響力を無意識に認めてきたことです。 この本の出版で、アメリカの政治にも影響が現れるのではないかと思います。なにしろ、非常に具体的にイスラエル・ロビーの活動の仕方が、例をひいて具体的に書かれているので、もう知らないふりはできなくなった。なにしろ、イスラエル・ロビーの機関の集りで、民主党の候補が、一人残らず、すでにイスラエルを支持すると約束しているのですから。そもそもそこから、この本ははじまるのです。 日本の政治にも、ロビー活動があるのでしょう。それをレポートする政治学者が、日本にも出てくることがのぞまれます。そもそもアメリカ大使館が、日本でやっていることは、ロビー活動ではないでしょうか。選挙の後、小沢代表に会って、対米政策で妥協させようとしたり、その後、突然、党首会談が開かれて、保保連合の話が浮上したり、ただ、ロビー活動はアメリカでは隠密性のある活動ではなくて、おおぴらな活動だから、この本のようにすべてを発表された文書を拾い集めるだけで、ハッキリさせることができるのです。ただ、その労苦は並大抵のものではない。その点で著者たちは、賞賛に値するとぼくは思います。皆さんも一読することを薦めます。 ちくまの次号では、これについて書きます。 5:打てば響く 2008年 2月5日分 転載 ビートル 02/05 21:33 打てば響く 2008年 ----------------- 2月5日 1月11日にフランスから戻っていましたが、更新を怠けていました。申し訳ありません。その間に、老人党のサイトも新しく、スマートなものになっていました。スタッフの方にお礼を申し上げます。 と同時に、このところ更新を怠けがちな小生を自分で叱っているところです。参院での与野党逆転で、一息ついたような気持ちの緩みがあるのかもしれません。 さて、マスコミの命名では「ねじれ国会」という異常な状態だそうですが、ぼくの考えでは、こういうことが、これまで起らなかったことが、日本の異常なところなのです。アメリカでは大統領と議会では、勢力が逆転していますが、ありふれた状況です。そして話し合いが行われています。 フランスのミッテラン大統領時代の半分は、大統領とは反対の保守の政権でした。日本風にいえば、ねじれ国会でした。長期の原則的な問題では、急ぐことはないので、突っ張りあってよろしい。次の選挙で、国民に決めてもらえばいいのです。しかし、緊急の問題では、話し合う。妥協しあう。それが柔軟に行われれば、行政に支障はきたさない。 日本の国会を見ながら《へたくそ》とつぶやいていました。 次の選挙では、格差社会が選択すべき大きなテーマになるでしょう。ガソリンの値段がテーマではない。そういう細かい問題で争うと、郵政民営化の時の選挙のように、誤魔化されてしまう。その点、二度と同じ失敗をしないよう、十分に注意を払ってもらいたいものです。 アメリカの大統領選挙は面白くなってきました。CNNでイスラエル・ロビーはクリントンを支援して、オバマの当選を必死に食い止めようとしているという話をしていました。 前回、イスラエル・ロビーという本の紹介をしましたが、あの本を読んだあとで、こうした解説を聞くと、選挙の裏で、なにが動いているかが、よく分かります。 あの本はおすすめです。 明日ではなく、もう今日ですが、スーパーチューズデーです。イラク戦争が本当に終わるか、アメリカが格差社会から抜け出すか、もう直ぐ分かります。 6:打てば響く 2008年 2月29日分 転載 ビートル 03/01 20:08 打てば響く 2008年 ----------------- 2月29日 昨日自民党を称する人から電話がかかってきました。どすの利いた声で、なにごとかと思ったら、自民党でエコロジーの本を作ったから、それを買えというものでした。値段を聞けばよかった。一冊、最低で何万円といったのではないかな。洞爺湖サミットを成功させるために必要な資金集めだから、買えといいます。 前にある有名な議長経験者からも、本を買えといってきたことがあります。その時は一冊30万円といわれて、目を回しました。 年金ももらっておらず、清貧の生活をしているぼくには、義理で本を買う余裕はない、と丁重に断ると、自民党は国民のために、一生懸命やりますから、というので、ぼくは「政権交代するのが、一番国民のためだと考えている、小沢がいいというのではない。政権交代が行われ、アメリカのように官僚のトップが、そのたびに変えられていくと、風通しがよくなると思うからだ。官僚には緊張感がないが、自民党政権が長く続きすぎた結果だ」と答えたら、ガチャンと電話を切りました。 電話を切ったのは当然でしょう。 さて、沖縄の米兵による中学生暴行事件、イージス艦と漁船との衝突事故、それに国会での道路財源問題など、もっと敏感に対応できればいいのですが、なにしろ原稿に追われている最中で、しかも次々と新しい事件が起ってくれるので対応がおくれています。 また、「とりあえず今ぼくは」の欄も更新が追いつかず、もうしわけありません。 イージス艦は一隻いくら?だれのために働いている?アメリカのために。アメリカの国防のシステムに組み込まれて働いている。今度もハワイからの帰り。おれは大切な仕事をしているのだ、アメリカから帰ってきたところだぞ、そこのけ、そこのけ、小さい漁船ども、という振る舞いが生んだ結果だ、などと、さまざまな考えがよぎりました。それを踏まえて、日本に米軍の司令部が置かれる意味を考えようとしましたが、考えているうちに、結局、事件に押し流されました。 ぼくの予定に関しては、ブログの方が書き込みやすいので、今後はそちらに、より頻繁に書き込むよう努力します。 3月1日は三鷹の井の頭病院(ぼくが30年前に勤めていた病院です)で「正常ではなく成長」という題で公開講座を開きます。午後二時からです。いうのが遅いのだから、と叱られそうです。 7:打てば響く 2008年 4月27日分 転載 ビートル 04/27 16:53 打てば響く 2008年 ----------------- 4月27日 サイト更新の遅れをお詫びします。この一大事のときに、なだ いなだは眠っておるのか、と思われた方も多いでしょう。後期老齢者健保の問題で、皆さんは大いなる怒りで盛り上がっておられましたが、小生もこの問題を受けての新聞や雑誌のインタビューの応対に忙しく、サイト更新を怠ってしまった次第です。前回の更新の期日に目をやり、怒りと共にあっという間に飛び去った日々を数え、自ら愕然としています。 後期老齢者健保という名前は、政府が「しまった。悪い命名だった」と気が付き、あわてて別の名前を持ち出してきたようですが、この名前が怒りと共に定着してしまったようです。今さら名前を変えても、内容が変わるわけでもなし、これまでだまされ続けてきた老人が、これ以上だまされないために、気に入らない名前のままでいいと思うようになったからでしょう。 食糧問題 さて、後期老齢者健保、チベット暴動、聖火リレー妨害と、ニュースが続き、視線をかわされましたが、気が付けば、われわれ老人の足元を、食料品の値上がりという大問題が、脅かしています。チベット暴動に目を奪われていますが、援助に頼らなければならない貧困国でも、食糧問題が原因で暴動が起こっています。食料不足が原因とはいえ、いずれは食料の絶対的不足が起きるでしょうが、現在、実際に不足しているわけではありません。現在は、投機で儲けようとする金の亡者たち(残念ながら自由主義の経済の自由とは、こうしたものたちの金儲けの自由を正式な経済活動として保障するものです)、の貪欲さのために、値上がりし、同じ金で買える食糧が、突然半分になり、三分の一になったための不足です。規制緩和の掛け声で野放図に解き放たれた自由主義の矛盾のあらわれです。 日本は、少し状況が違います。日本の食糧の値段はもともと高かった。というのは国内の農業の保護のため、食料の値段は、外国に比べ、高く吊り上げられていました。それが規制緩和主義者の標的にされていました。日本にいるおかげで高い米を食わされている、高いパンを食わされていると感じた人も多いでしょう。海外のこのところの農産物の値上がりで、ようやく日本の食糧の値段が、国際的水準になったというところです。つまり、日本の農業の国際競争力が、回復する条件が整ったということです。でも、その時が来たのに、日本の農業は、過疎化と老齢化によって、壊滅に近い状態にあります。 おそらく、こうした状況の日本の農村を、資本主義は狙うことでしょう。老齢化した農民から、会社組織の農業経営の資本が、土地を買いあさるのではないかと思います。その土地の買いあさりのために暴力組織まで動員されるのでは、という暗い予感さえ抱き始めています。そこで起こるのは、農村の効率を求めての自然破壊です。そうした暗い未来のイメージが頭を過ぎります。 目先のことばかりでなく、われわれ老人は、そうした未来の危険をしっかりと見据えて、農村と連携して、自分たちの未来の生活、後輩たちの未来の生活を、護っていかねばなりません。政治家の、危機対応の能力欠如を見ていると、かれらには頼っていられない、自分たちが行動しなくては、という気持ちになります。 8:打てば響く 2008年 7月14日分 転載 ビートル 07/14 18:09 打てば響く 2008年 なだいなだ ------------------------------- 7月13日 前回のサイトの更新が4月27日だったとは! 信じられません。気がつくと驚くほど時間がたっている。一日を追いかけるように生活しているからでしょう。なにしろ毎日毎日、次々にビックリさせられています。奥方から探してこいという命令で、バターを探すが、どこのスーパーにもない。売り切れています。あるのはバター風味のマーガリンばかりです。たまに「あった」と喜ぶと、ふだん買っていたバターの4倍はする値段。よく見ると輸入品で、エシレというフランスでも高級品として知られる銘柄品らしいが、輸入するなら、どうしてもっとポピュラーなバターにしないのか。エシレなんてバター、いったいどこのだれが食べるのだろう、と考えます。こういう間に、一日は過ぎていくのです。 後期高齢者の保険料額決定通知書というのが鎌倉市から来ました。医療広域連合会長のハンコもあるから、そういう役所が新しくできて、おそらく官僚が天下りしたのでしょう。そして問題の後期老齢者保険の、ぼくの保険料だが、これまで文芸美術者国民保険に入っていて、年間229200円払ってきたぼくですが、今度は高齢者として、315880円に決定したそうです。所得は年をとると共に年々減少し、去年の確定申告では一昨年より数割減ったというのに、保険料は数割増えました。所得の一割弱です。介護保険の6万4440円を加えると、ちょうど所得の一割が、銀行から引き落とされるのです。なんでこんなに増えなければいけないの!です。こちらが許可も与えていないのに、すでに、引き落とされてしまいました。 ガソリンが値上がりし、一昨年車検時に、燃費のいい、小さい車に買い換えていたのは先見の明があったと自分を誉めていますが、足が弱り始めているぼくたち夫婦が、坂道の多い鎌倉で暮らすには、車を簡単にやめて歩くことにするわけにはいかないのです。 それでも、バイオ燃料なんてものによる、穀物値上がりに直撃され、飢えているアフリカの人たちに比べれば、まだゼイタクな悩みかもしれないと思います。いや、アフリカばかりではない。日本でも食料の値上げに直撃されて、飢え死にするような、ワーキングプアの人たちもいます。その人たちに比べれば、と思いますが、わざわざ政府にいってもらいたくはありません。その飢えた人たちに関心を抱くようなポーズをとる一方で、自分たちは、北海道の食材をふんだんに使ったディナーをしっかり満喫しサミットに、いくら税金を使ったか。対テロ警備という名前をつけて全国から動員した警官に払った手当てを含め、サミットのために、どれだけの税金を使ったか。それらを全部節約し、サミットをやったことにして、そのお金を直接アフリカに送ればよかったのにと思います。ぼくたちには下手な芝居はいらないのです。 こんな風に怒りながら、毎日を過ごしていたら、いつのまにか、7月に入っていました。 というようなわけです。 この危機に当たって、ぼくが老人の先頭に立って、勇ましい宣言を発表することを期待していた方には、実に申し訳ありません。 明日は「老人は何故自殺するか」という題でインタビューが来ることになっています。そんなこと老人の口からいわせなくても、分かっているはずだと思います。 普通30万ぐらいの手取りの会社員あるいは、公務員は、保険料をどれだけ払っているのでしょう。教えてくださいませんか。参考にさせてください。 数日前に大腸検査をして、おなかをかき回されましたが、まだ、元の元気に戻っていません。 9:Re: 「打てば響く」 転載 北極星 09/02 18:26 9月1日 政局が大きく動いたようなので、ここでぼくの感想を述べておきます。 今日、福田首相が辞職しましたが、突然の辞任にはいささか驚かされました。辞任したことに驚いたというより、突然の 辞任が安倍、福田と二度も続いたことに驚いたのです。しばらく前から、表情がさえなくなったなあ、とは思っていました。 この人もうつ病か。うつ病が流行りだな、と思っていました。 かれ自身は安倍元首相とは違う、安倍は病気、自分は病気ではないといっていました。 かれの気持ちを、ぼくの限られた情報から推測すれば(もっぱら推測力にたよってですが)、どうなるでしょう。 かれが前から気にしていたのは、海上自衛艦による給油活動の継続でしょう。国際協力とかなんとかいっているが、ずば りいえば、アメリカに対して申し訳ないということでしょう。これができないようでは、アメリカに顔向けできないと思ってい た。 この前は、衆議院の再議決で切り抜けた。今回もそれを考えて、ぎりぎり再議決可能な期間を持ちかけた。 ところがそれが与党内の公明の反対で通らなかった。公明の主張で会期を短縮させられた。そこで、公明に裏切られたと感じたか、麻生が、公明との二党間の折衝をサボって、自分の足を引っ張ったと感じたか。 ともかく、どちらに対してかは分からないが、これでカンカンに怒ったことは確か。 記者会見でも、感情が激しているのか、怒りを思い出すのだろう、顔が話すうちに 赤くなり、言葉を正確にいえなくなり、繰り返していた。安倍と違ったのは、この怒り。 安倍は自信喪失で落ち込んだ。かれは怒って、勝手にしろと投げ出した。身内を困らせる行為であることは間違いない。 重要なのは、国会がスムーズに運営されることではない。 この日本に民主主義を根付かせることである。そのためには、解散総選挙で政権の交代が行われる習慣を定着させること。給油活動にしても、国民の審判を仰げば、何も日本国の首相個人が、アメリカに申し訳ないということはない。 これが国民の選択ですから、といえばいい。「野党が協力しない」なんて泣き言を述べているようでは、民主主義の何たるかが分かっているとはいえない。 どっちみち、福田の後継に選択の余地はないだろう。また保保連合などというわけには行くまい。 今度こそは解散総選挙ということになるのだろう。 10:Re: なだいなだの打てば響く (9月30日)転載 北極星 10/01 10:57 中山国土交通大臣の辞任について書きます。といってもちょっとした感想。 この人は世の中の基準からすれば、とても頭のいい人らしい。私立鹿児島ラサール高校を卒業し、現役で東大の法学部に入学、大蔵省に入省、キャリアーとして順調に出世、12年後には主計局主査という経歴を聞けば、だれでもそう思うのではないか。今の日本の常識ではそう判断される。土地の人から秀才と呼ばれたのだろう。 頭のいいのはわかったが、今回のかれの行動を見ると、その秀才がどうなってしまったのか、首を傾げる。「バカじゃなかろうか」と思う。断っておくが『バカ』という言葉は文化に根付いたことばなので、差別語だなどと言って、言葉狩りの対象にしないでほしい。かつて、この言葉は「バッカじゃなかろうか」と発音して、ギャグとして大流行したこともある。 ともかく、常識があれば、「自分が、こういうことを言えば、マスコミがその言葉をとらえ、どのように報道し、その結果、どんな騒動が巻き起こるか」ぐらい分かるだろう。そして、常識を持っていれば、自分の党が今どんな状況に置かれているかも分かるだろう。そして自分の発言が、自分の属する党や、自分を大臣として選んでくれた首相に、どんな打撃を与えるかも分かるだろう。しかし、かれには、どうもその常識がなかったようなのだ。日本語では、常識を持たない人間を『バカ』という。おそらく自民党の仲間たちは「あいつはバカだ」とか「大バカものだ」とかつぶやいているのだろう。 ラサール高校と東大の教育が「常識のないバカ」をつくったのか、それともキャリアーとしての大蔵省のエリート意識が、それをつくったのか、政治家として、先生先生などと言われているうちに、常識がなくなって『バカ』になった のか、そのどれかか、その全部か、であろう。こういう常識のない人が、かつては文部科学大臣をつとめ、さまざまな教育改革を提案してきたことを考えると、暗澹たる気分になる。日本が変になってきたはずだ。 ぼくが常識人だったら、こう考えるだろう。ところがぼくは常識人ではないので、暗澹とした気分にはならない。ぼくは日本全体に、秀才とは何か、教育とは何か、バカとは何か、を身を以て教えてくれたかれに感謝した。 かれは日本の戦後教育が悪かったと考えているらしいが、それには同意する。この大臣こそ、戦後教育の欠陥のよい証明だ。戦後の文部省の指導した教育は、進学のための教育ばかりで、常識を与えてこなかった。秀才ほど、常識がない。そういう結果をもたらした。 自民党の人達も、このぼくの意見には同意してくれるだろう。 |