打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

21:Re: 打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載
北極星 08/07 21:38
【打てば響く】報告 8月4日

この欄で、軽井沢町長に、ゴミ問題で思いあまって手紙を書いたことを書きましたが、その後の報告です。

今日、数日遅れで(鎌倉は温度が上がらず、避暑に行く理由がなかったので遅れた)軽井沢の別荘に来ました。築四十一年の別荘は、僅かの間に草のせいが伸び、ブヨにさされたくなかったら、明日は草刈りに専念しなければならないでしょう。さらに、風呂に問題が起き、今日は風呂にも入れず、お湯が出ないので、皿洗いもお休み。

しかし、よいこともありました。あの大きな袋に入った庭のゴミはどうなっているか、まず到着早々に、庭の松の木の根元を見たのですが、消えていました。町役場の人が撤去してくれたらしいな、と直ぐに思いました。そして入り口のドアを開けると封筒が落ちてきました。
差出人「軽井沢町生活環境課防犯係」。封をあけると町長からの小生への返事が書かれていました。ゴミは町で撤去した。今後も同じような不法投棄があれば、電話をくれれば撤去するとのこと。手紙を書いた甲斐はありました。

当然のこととは思うけど、老人は礼儀正しい。礼をいいます。町長、感謝します。
ともかく一安心。近くにゴミ集積所がないことは町でも認識しているので、近隣で話し合って、ここに置いてくれというところがあれば、設置するとのこと。小生の隣は、空き地があり、所有者が草も刈らず、倒木も処理せず、ブヨの隠れ家にもなっているので、地主に交渉して、ここに集積所を設置してもらえないか、提案してみようと思います。

一応、解決のめどが立ちました。解決まで、時間がかかりそうですが。ともかく、ダメでもともと、やってみること。手紙を書いたのは正解でした。

掲示板に寄せられた意見について
選挙モードにスイッチが入ったせいか、掲示板がぐっとにぎやかになりました。本来は老人党掲示板に送ってもらいたい書き込みが、多くなりましたが、選挙が終わるまで、我慢します。

怒りについて
老人党を立ち上げたのは、老人が馬鹿にされているのを感じた怒りからでした。

しかし、ただ怒りを相手かまわずぶっつければいいというもではありません。掲示板にはそういう八つ当たり的なものがかなりあります。目的を達するには回り道することも必要です。目的地が目の前に見えているからといって、真っすぐにすすめばいいわけではない。目的まで何が障害になるか地形を観察するのが第一です。

そしてベースキャンプを何処に置くか、登攀のコースをどうするか、を研究しなければいけない。しかも登坂途中で気象その他の条件を考えて、決断しなければならないこともある。

前にも書きましたが、自民と民主は八割がた同じ体質の人たちです。憲法の問題、経済の基本問題など、危ない感じの人も民主には混じっています。マニフェストにも気に入らないところがある。
しかし、当面、政権交代が第一歩とぼくなどは考える。鳩山も、マニフェストが実行できなければ、直ぐ下野の覚悟であるといいます。こうして政権交代が何回か起きるうちに、能力のない二世三世議員は姿を消すでしょう。

突然、ポピュリストの政治家が、ヒトラーやムソリーニのように出てくる可能性もあるから(最近の人気知事にはそんな感じを持たせる人もいる)、注意をしなければいけない。しかし、とりあえずの目標に、力を集中しなければ、第一歩を踏み出すことが出来ません。怒りを直ぐに爆発させず、回り道が出来ることこそが知恵を持った老人にふさわしい。老人は、同時にどんな危険の芽にも、目配りも怠らない。怒りはそのように変えていかねば、政治を変える力にはなりません。

残念ながら、目標の峯に登るための作戦を描くようなマニフェストを書いてくれるような政党は見当たりません。共産党も、分析は正しいし、遠い目標としては、多くの人が望むことを書いている。しかし、書かれていないのは、自分たちの目標を達するには、どういう行程表が考えられるかだけです。しかし、これが実用的には大切です。民主主義の現体制のもとでの行程表を書くことが残されています。

22:ご意見拝聴(『なだいなだのサロン』掲示板) 転載
 08/19 00:25
先の先を読む   投稿者:なだ いなだ 投稿日:2009年 8月17日(月)22時56分55秒

先の先を読むことが必要です。山を登るにもルートを探さなければならないでしょう。まず政権を交代させる。そこを経ないと先に進みません。

民主党のマニフェストの「学費無償化」はバラマキです。そのための金が今あるなら、今、子どもが学校に行きたいのに、学費が出せないという人のために使います。生活支援のためです。でも、それでは票にならないと考える人が民主党の中にいて、あのようなマニフェストを作ったのでしょう。

学費を無償にしている国はたくさんあります。日本も将来その方向に進むべきでしょう。それに異論はありませんが、そこに行くには、まず助け合いで、困っている人に税金を使うべきです。自殺者が年に三万を超えている状態を、何とかするのが先決です。

しかし、それを論じることができるためにも、政権交代を実現することです。

民主が自公と同じことをするようなら、また政権交代です。そして、ぼくたち有権者がキングメーカーなのだということを、政治家に思い知らせることで、政治を変えていこうとぼくは思っているのです。目先のマニフェストは、先の先を読めない、馬鹿なジャーナリストたちに議論をまかせておきましょう

23:打てば響く 2009年8月28日分 転載
ビートル 08/29 00:20
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8月28日 その次は

 いよいよ選挙が近づいてきました。
新聞やテレビなどの予想によると、どうやら政権交代が行われそうな雲行きです。政権交代を、と主張し、後期高齢者健保は廃止を求めてきたぼくたちですが、これで、ようやく第一歩を踏み出すことになります。2003年の発足から数えて、六年と数ヶ月、「もう」とも思えますし、「やっと」とも思えます。しかし、これからが大変です。
 健保はだれがやっても解決の難しい問題です。アメリカでも、圧倒的な支持を得て当選したオバマ大統領ですが、健保問題では、なかなか手こずっているようです。
 ぼくは健保でかかれる病気を、ある程度制限する方向に進むべきだと思います。いわゆる風邪引きは、医者にかかるなら自費で、かからないなら、自分で薬剤師と相談して薬をのむ。クスリはのまないで、しょうが汁を飲むとか、ねぎの熱いスープを飲むとかの、それぞれのおふくろ伝来の風邪の対処法などをやるのもいい。そのかわり肺炎を起こしそうだったら、ためらわず健保を使って医師の治療を受ける。擦りむき傷は、昔のように、親が消毒薬を傷口に塗ってやればいいのです。アルコール依存の患者の治療は、酒税から出させる、というのはぼくの40年来の主張です。このあたりでまじめに取り上げてもらってもいいですね。
 老人党は先をいきましょう。これから、そういう面で議論をリードする存在になれたらいいですね。

24:打てば響く 2009年8月31日分 転載
ビートル 08/31 17:45
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8月31日

選挙の結果を見ての感想です。
 ぼくたちがやろうとしていたこと、(自公を退陣させること、しかも徹底的に敗北させること)は実現しました。それが第一ですが、その他にも、この選挙にはどのような意味があったか、考えてみました。

 戦後六十五年経って、首相を有権者の投票で直接に決めることができました。単なる偶然か、鳩山一郎の孫を選ぶか、吉田茂の孫を選ぶか、という選択になってしまいましたが、ともかく有権者のわれわれがキングメーカーになれたのです。まだ、鳩山と吉田の影を引きずっていますが、二人の生きた姿を見たことのある人は、有権者の中にも少なくなってきているでしょう。
 次の大きな意味は、公明の小選挙区での敗北です。代表と幹事長を落選させたことです。これは浮動票と呼ばれていた層が、選挙に参加して、高い投票率がえられた結果です。偉い人(ボス)の指示通りに投票するものを、自分の考えで投票する人たちが、上回ったということです。民主主義にブレーキをかけていた宗教票の限界を悟らせることになればと思います。宗教は政治と切り離さなければなりません。
 それと、女性議員の数が一気に増えたことです。日本の政治も見た目が華やかなものになるでしょう。戦後第一回の選挙で、日本に女性議員が初めて登場したのを見た人間としては、それからが長かったなあという思いです。
 戦後、硬直してきた外交にも、柔軟性が戻ってくるのでは、と考えます。世界で一番硬直した外交官が、日本の外務省の外交官でした。
 さて、前回にも触れましたが、これから高齢者の健保、年金の問題など、解決可能な方策、制度の変更を考えていくときがきました。政権の選択の時には、頭が熱くなって、意見の違いが罵りあいになったりしがちですが、今後四年の時間があります。ゆっくりじっくり考えていきましょう。
 生活苦からの自殺をへらすこと、ワーキングプアの問題を解決することは、緊急の課題ですが、きびきびしたスピード感ある対策を打っていけば、それができた政治家は、きっと名声を得ることでしょう。腕のみせどころです。
 ぼくたちはじっと見守りましょう。厳しい視線は、政権交代しても変えることはありません。これが、とりあえずの感想です。
ほっとしたら、ちょっぴり疲れが出ました。飄飄としているつもりでしたが、あちこちに、かなり力が入っていたのでしょう。

25:打てば響く 2009年10月5日分 転載
ビートル 10/05 17:49
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10月5日 鳩山新内閣とバラク・オバマ自伝「マイ・ドリーム」

 感想です。
 九月十七日、鳩山新内閣が発足しました。それから、まだ二週間とちょっとしか経っていないのですね。でも、もっと長い時間が過ぎたような印象です。
 内閣発足の日に、この感想は書き始めたのですが、締め切りの原稿などで中断していました。「しばらくは、この内閣のやることを、じっと観察することにします。ぼくたち老人は、長い間の日本の政治を見てきたので、かなり政治不信に陥っていますが、評価するには、しばらく待たねばならぬことは分かっています。だから、待ってしばらくは見守りたいと思います。鳩山首相が、国連総会出席の機会にアメリカに行き、そこでオバマ大統領と会見し、どんなことをいうのか、総会ではどのような演説をするのか、などなど、見ることはたくさんあります」と書いたところで中断でした。
 その全てが、一応済んだところです。ま、かなり努力しているところは分かりました。権力を掌握し、その権力を使って何をするのか、少しは見えてきました。
 天下り廃止には本腰を入れるようです。数年前、全家連(全国精神障害者家族連合会)が破産しましたが、そこにも官僚が天下りし、補助金をもらい、(もらうために無理な事業を起こし)借入金の返済ができなくなったのです。小生の元患者で、病気からの回復後、この連合会の誕生に力をそそいだ人が、事業拡大に反対して、天下り官僚に追い出され、告発の本を出しましたが、最近になって、ようやく検察が動いたようです。天下り官僚としては小物ですが、少々の告発では検察は動きませんでした。天下り官僚が、せっかく育った精神疾患の患者家族会の連合を、政治に巻き込んで潰してしまったのです。
 政権交代で、検察すら、ちょっぴりは変わるかもしれません。

 それから、今、偶然本屋で手に取ったバラク・オバマ自伝「マイ・ドリーム」を読んでいます。英語の本を買ったのですが、翻訳が出ていることを知り、そちらを読んでいます。原書の初版はなんと1994年です。そして2004年に改訂版が出た。日本語の訳も、2007年に出されたものです。大統領になったから、慌ててゴーストライターに書かせて出版させたような類いの本ではありません。米民主党の大統領候補になる前に出されたのです。しかし、これがすごく面白い本です。面白いという言葉が、貧弱に感じられるほど面白いのです。バラク・オバマが、大統領選挙で勝つ前に、この本を読んでいた人は幸せです。大統領に当選した人という偏見を持たずに、ある若い政治家の自伝として、読んで純粋に感動できたのですから。大統領選挙の前に書かれたこの本に、かれが若いころ、大麻や麻薬をのんでいたことがあることも書かれているほど、正直な自伝です。
 今、あちこちにマーカーで線を引きながら読んでいます。読み始めたら、途中でなかなかやめられない。アメリカ合衆国は大した人間を大統領に選んだものです。この人に二〇年ほどアメリカ合衆国の大統領をやっていてもらいたい、と思ってしまいます。でもアメリカ憲法がそれを許さない。
 残念です。もう読んでしまわれた人も多いと思いますが、読まれていない人には、是非読むことをお勧めします。

26:打てば響く 2010年1月13日分 転載
ビートル 01/14 19:19
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1月13日 年初の感想

 社会の記憶力

 2010年の年初の感想です。型通りの挨拶は一切省かせていただき、その
かわり、この一年、あまり活動的でなかったことをお詫びします。サイトの更新
ももう少し頻繁にできるはずだった、などと新年を迎えてまたまた反省を繰り返
しているところです。

 さて《なださんは頼りないなあ》と思われているのではないでしょうか。社会で
事件が起きたとき、それについてのぼくの意見を知りたいと思っても、ぜんぜん
ホームページに反応が現れなかったですものね。また老人党のサイトで論争が
起こっていても、反応なしでしたからね。

 しかし、故意に沈黙していた訳ではありません。反応がのろいだけです。反応
しようとしているうちに、のろくさだから、次の事件や次の論争にみなさんの関
心も移ってしまう。せっかく準備した文章が間延びしたものになって、結局止め
にするという流れになっていただけです。ですから改善の見込みがない訳はあ
りません。

 しかし、負け惜しみではありませんが、のろくさにもいい点があります。少なく
ともぼくはそう思っています。反応なんて、ただ早ければいいというものではあ
りません。ゆっくりと熟考して反応することだって、同じくらい大切です。ぼくは、
どちらかというと、反応が鈍い方ですが、それでもそこがぼくの得意とするとこ
ろなのだと考えています。人それぞれ得意があるのもいいでしょう。

 今、ぼくはパリにいます。子どもたちは皆フランスに住んでいるので、一年に
一度、格安航空券で、家族を訪ねるのが習慣になっています。それで今はパリ
です。外国から日本を見つめるというのも、思考のリフレッシュには役立ちま
す。

 さて話は少し戻ります。年を取るに連れて記憶力が衰えます。そこで対策とし
て、出来るだけメモをするような習慣を身につけました。しかし、メモを取るのは
いいが、しばしばそのメモ帳をどこかに忘れるということがあります。これは困
る。でも、偶然再発見した時の喜びもまたいいものです。そして今の今、メモ帳
の裏の部分を、またメモ帳として使ってエコしようとして、去年の今頃のメモを見
つけたところです。

 去年の今頃、どのような事件があったか、みなさんは覚えていますか。意外と
覚えていないのではないかと推測します。単なるぼくの思い込みではないでしょ
う。というのは一年前のことを記事にし続けているマスコミをあまり見かけない
からです。記憶力の低下は老人だけのものではないようです。現代社会もまた
記憶力の低下があるようです。社会が、忘れてはならないことを忘れていること
がよくありますから。

 一年前の今頃、イスラエル軍のガザに侵攻し、世界がイスラエルの非難を繰
り返していました。メモにはそう書いてあります。日本人には、パレスティナ問題
は遠いところで起こっているという意識がありますから、とっくに忘れているので
はないでしょうか。ぼくとしては忘れてはならないと思っています。

 それならマードフはどうでしょう。これも丁度一年前に起こった事件でした。こ
れは日本人にもおおいに関わりのある問題です。どうですか。この名前も覚え
ていない人がけっこういるのではないですか。正直にいうとぼくも忘れていまし
た。それは年ですから仕方ないでしょう。でも、社会が忘れてしまってはいけま
せん。ぼくは、メモを偶然見つけて思い出しました。一年経ったことで、かえって
よく理解できるようになったような感じがします。そしてますます思うのです。こ
れは忘れてしまってはいけないと。

 しかし、ぼくとは逆に、早く忘れて欲しいと思う人がいます。というのは、資本
主義の根幹に触れる事件だからです。

 マードフは巨額詐欺事件という名前を付けられて整理されています。もう裁判
も終わって(なにしろ早い裁判だった)、150年の禁固(アメリカの裁判官は、1
50年の禁固などという判決を下すときどんな顔をしているのでしょう)という判
決が下っています。そして株式市場は、こんな事件がなかったかのごとく、当時
の株価をとりもどしています。

 でもこれは、巨額詐欺事件、ねずみ講の特別巨大なもの、とは本質的に違う
ものです。メモを見直すと、詐欺に引っかかった被害者は、れっきとした金融機
関がほとんどです。スコットランド・ロイヤルバンクが500億円以上、スペインサ
ンタンデル銀行が2700億円、BNPパリバが430億円、英国HSBCが1350
億円。野村証券も被害者に顔を出します。ぼくのメモでは275億円。幸いに
も、日本の民営化した郵貯銀行の名前がありませんが、もうちょっと民営化が
早ければ、きっと被害者のリストに名前を連ねていたでしょう。こんなところに、
巨大銀行が多額のお金を預けていたのです。かれを単なるねずみ講の詐欺犯
だと思いますか。かれは当時としては、ごく普通のビジネスをしていたのです。
大きなネズミではありません。かれがネズミなら、今の金融システムは、ネズミ
だらけということになります。

 かれはナスダックの元会長ですよ。これが詐欺というのなら、アメリカの社会
は、なぜそれを正式なビジネスとして、長年の間認めて来たかです。ニューヨー
クタイムズは、かれのビジネスの提灯持ちのような記事を載せたといわれてい
ます。まさかニューヨークタイムズが意図的にねずみ講詐欺に加担していたと
いうことはないでしょう。そう信じます。すると結論は、結果は詐欺事件となった
が、それはあくまでも結果であって、そうなる前はれっきとしたビジネスだったと
いうことです。上に並べたれっきとした金融機関は、マードフにもうけさせてもら
っていたというわけです。資本主義の落とし子などではありません。金融資本
主義そのものだったのです。実体経済とは全く関係なく、大銀行同士がもたれ
合い、お金をぐるぐる回して、株価をつり上げ、そこからもうけを得ていた。そし
て結局は、年金とか、老後の資金として蓄えていたお金が、ババを引かされる
結果になった、ということです。

 銀行の本当の仕事は投資です。真面目な起業家を発掘して投資し、企業の
成功から利益を上げる。これが投資です。集めた金を丸投げして、ファンドとや
らにばくちをさせる。これが投機です。ルーレットと変わりがありません。全ての
金融機関が、このような投機に走っているのが、現代の資本主義です。資本主
義はこんなにも変質していた。無理な株価のつり上げはバブルです。いつかは
かならずはじけます。はじけた時に、贖罪の羊ならぬ、ねずみにされたのがマ
ードフだった。今、メモを見つめながら、そう考えています。この事件は資本主
義が反省するまで忘れてはいけない。そうではありませんか。

27:打てば響く(2月13日) 転載
北極星 02/17 20:39
2月13日 感想 へそ曲がりな見方

悪役の存在感

あまり詳しくは書きません。
いずれ、「婦人之友」か「ちくま」か「日教組新聞」でとりあげて書くつもりですから。

 朝青龍引退。

 相撲協会は、きっと後悔するでしょう。朝青龍は悪役でしたが、強烈な個性が
ないと演じられないのが悪役です。こんな才能を持った相撲取りは、何十年に
一人現れるかどうかでしょう。そして悪役がいない芝居はつまらない。相撲協会
にとって、朝青龍は得難い宝物だった。そのことに気がついていない。気がつ
いた時に後悔しても遅い。朝青龍のいない場所はつまらなくなる。そしてファン
も遠ざかる。

 この引退を仕掛けたのは、横綱審議会ですが、審議会は偽善者の集まりの
ように見えます。横綱の品位などというけれど、本当に横綱らしい横綱だった双
葉山も、完璧ではなかった。戦後自分が信仰した爾光尊を警察から守ろうとし
て、暴力をふるった過去があります。それから復帰して、大相撲の理事長にな
った。大鵬だって、新宿のバーだったかで、芥川比呂志(比呂志の方が挑発し
たらしいが)と、あわやけんかというところまでいった話を聞いたことがありま
す。

 それに、ともかく強くなければ、なれないのが横綱。品位だけで横綱になれる
ものではありません。

 審議会の面々で、品位の感じられる人がどれだけいるかです。ぼくには偽善
者の集まりに見えます。

 それに相撲協会の理事選。あれは談合そのもの。自由選挙ではありませ
ん。あれほど品のない選挙はありません。談合そのものです。談合こそ日本の
国技ということなのでしょうか。

 政治の世界でも、倫理とか、道義的責任とかを、野党もジャーナリストも問題
にしますが、振り返って、その人たちは道義的に、倫理的に一点のやましさも
なくいえるのでしょうか。イエスが売春婦に石を投げている人たちに問うた言葉
を思い出すがいいのです。

 この言葉は、本人が「自分は法的に罪を問われないが、道義的な責任は痛
感している」という。そういう場合に据わりのいい。自民公明の連中の口から出
ると、言葉が居心地の悪さを感じるでしょう。台詞は、口を選ぶのです。他人の
台詞か自分の台詞か、考えて物をいわねばいけません。

 話は飛びます。小沢の不起訴を、ぼくはテレビの報道の前日、アメリカのキャ
ンベル国務次官補が、小沢と会談したというニュースを見て予知しました。「起
訴はないな」と。翌日起訴される人に、アメリカの国務次官補が大使を連れて
会うことはない。ニュースに注意していると、かなり予知できる部分があります。
ということは沖縄基地の問題も、希望が見えてくるということです。かれも政界
では朝青龍のような悪役です。かれなら、アメリカと沖縄基地問題で駆け引き
できるでしょう。岡田も北沢もまったくダメ。官房長官もおかしくなった。国務次
官補も、結局は相手は小沢だな、と判断したのでしょう。

 清濁合わせのんで、日本の未来を考えて、誰が必要かを見る。有権者はそ
こまで賢くならねばいけません。

28:打てば響く 2010年4月5日分 転載
 04/07 13:23
4月5日 最近の感想です

「老人党は忘れていない」

 去年の九月に、総選挙で大勝して、民主党政権が発足してから、半年が過ぎました。

 まだ半年か!と感じる人もいるし、もう半年も!と感じる人もいるでしょう。

 この内閣は、公約だった「子ども手当て」や「高校授業料無料化」は、早々と実行しましたが、老人に対して約束した、「後期高齢者医療保険の廃止」の方は、何時になるか分からない状態です。次の総選挙まで、今の中途半端な《待ち》の状態が、ずっと続いてしまう可能性が高いですね。

 でも民主党よ。老人は忘れっぽいからと思っていると間違いですよ。確かに、個人個人としての老人は忘れっぽい。しかし、老人党のようなグループになると、忘れっぽくなくなるのです。一人が忘れても、他の誰かが必ず思い出させてくれます。

 老人は忘れていないですよ。次の選挙が怖いですよ、と脅しをかけたいところですが、二大政党時代になると予測していたのに、自民党が崩壊してしまったのが誤算、闘わぬ前に、自分でこけてしまうのは、自分でも格好悪いと思わないのですかね。しかも、公明党が自民党を見限って民主に擦り寄ってきています。接戦のときに、発言力が強まる老人党としては、この状況は想定外です。

 「連立している社民党よ、後期高齢者問題を取り上げろ。老人の票を拾うチャンスだぞ」とでもいっておきましょう。ともかく老人党がこの問題を忘れていないことは強調しておきましょう。



「茜色の雲」



 最近、辻井喬の「茜色の雲」という小説を読みました。小説と銘打っているが、ほぼ大平正芳の忠実な伝記といってよいでしょう。外相のときに佐藤内閣による沖縄返還時の置き土産的密約を知って悩むところがあります。岡田外相に密約問題のヒントを与えたのは、この著者ではないかという気がします。戦後日本の前半の政治史の小説化といってもいいでしょう。

 小説として読めてしまうので、読み出したら、途中でやめられない。ほとんどの関係者が実名で登場します。数人だけが、本名でない。だからこそ、こいつはだれだ、このいやな野郎は!と詮索したくなりますが、それも読者を巻き込むための著者の術かもしれません。

 六〇年安保の時代を政権の側の視線で見せてくれます。そしてあの時代の自分の記憶も、けっこう希薄になってきていることを思い知らされました。鮮明に覚えていたつもりだったことが、思い違いだったりして。

 元青嵐会のメンバーが、定年で追い出される時代なんですねえ。

29:打てば響く 2010年4月11日分転載
 04/18 00:33
【打てば響く】「立ち上がれ日本(ニッポン)」の感想です なだいなだ 2010-4-11

日本はなく、あるのは日本主義というイデオロギー

与謝野、平沼の新党に名前をつけたら、といわれて「じじい民党」と答えましたが、石原慎太郎のネーミングといわれていますが「立ち上がれ日本」になったそうです。
老人たちの集まりだから、老人が応援しませんかといわれましたが、老人党は記憶がいい。

与謝野は麻生内閣の金融財政担当の責任者で「二万円ばら撒き」をやった当事者であり、後期高齢者保険制度を作った自民党の有力議員だった、ことを忘れていない。政治家の未来に向けた美辞麗句に迷わされず、70にもなる人間は「やってきたこれまでの行動で判断する」。
だまされるほどの馬鹿ではない。と答えました。

尋ねてきた新聞記者には、麻生内閣で与謝野が何大臣だったか忘れたの、老人より記憶力が悪いね、アルツハイマーかね、と皮肉をいってやりましたが、もちろんこれは新聞にのりません。
ぼくの推測では、この新党は、小泉純一郎を担いだ「文春、読売系」のジャーナリズムのサポートを受けての新党でしょう。「日本」とは何でしょう。一つにまとめようというイデオロギーです。

しかも自分たちだけが正しい、選挙で勝った民主党に任せていたら亡国だ、その裏側には連立を組んだ少数の社会主義者に引きずられているから亡国だ、という選挙無視の考えが見えます。
民主党が勝ったのは、自民党こそが自分たちの生活をズタズタにしてきた、という選挙民の怒りであり、国民総中流の国から一千万の貧困層に落とされた人たちの意識だったことを、見ようとしない人たちです。

日本を敗戦に導いた職業軍人たちに、平和条約締結と同時に恩給を復活した自民党の右派、国のために命を捧げる、会社のために絶対服従で命をささげる、反対するものは国賊だとか、非日本人だとか、のレッテルを貼る。排除主義の全体主義、その時代の日本はまとまりがあったと郷愁を感じている人々でしょう。

あるのは現実の日本でなく、個々を全体のために奉仕させるカタカナのニッポン主義のみです。
日本はたくさんの人たちの集りです。それを右と左の大きな流れを交代させて、ヨットのように向かい風にもかかわらず帆を滑らせ前進する現実の日本という民主主義の国です。
「ニッポンチャチャチャ、金メダル」の浮かれたテレビジャーナリズムの日本ではありません。

文春は出版不況の今、まだ日本で売れる、という計算があるのでしょう。読売もそうでしょう。
テレビもオリンピックでまだ稼げるなら、日本で稼げるかもしれないと思っているのかもしれません。
俺と一緒に立て、といっても自民党の若手さえついてこない連中に、立ち上がらせる日本というものがあるでしょうか。

30: 打てば響く(5月6日) 転載
北極星 05/07 18:47
5月6日 抑止力なんていってちゃだめ。

鳩山君、君は「沖縄の皆さんにお願いしたい、日本全体のために、米軍の海兵隊基地は、抑止力として必要だ、だから県外移設は実現できない」という。お願いする方向が、間違っているのではないかね。抑止力という観点からすると、海兵隊を沖縄から移すことはできないという考えになってきたというが、戦後六〇年の間、どんな戦争を抑止してきたの?

アメリカは、だれに頼まれて、どこでだれと戦ってきたの? ベトナム、イラク、アフガニスタン、みな日本を守るためだったの?
出撃するとき、日本の許可を得たの?お願いだから、間違いに早く気がついて!
あなたは日本の首相なのだから、沖縄県民のために、オバマにいうべきなの。

「オバマさん、お願いだから、米軍基地をどこか別のところに移してください。
沖縄の人があれほど嫌がっています。移そうとした徳之島の人たちも、嫌だ、といっています。
わたしは、八方ふさがりです。今、日本のどこに喜んで海兵隊を迎え入れるところがあるでしょう。

なだ いなだ という変なじいさんが《大赤字の関空に海兵隊をそっくり移したら》といいますが、その関空への移転という迷案だって、ジョークがジョークでなくなったら、大阪でも大きな反対運動が起きるでしょう。
この現実に目を向けてください。来てくれといっているテニアン移設を考えてください」と。

そして、かれの前で日本式土下座をしておねがいしてごらんなさい。
「まあまあ、それだけはやめて」とオバマも閉口するでしょう。そして引っ張りあげてくれるでしょう。
それを国辱などという人はいませんよ。世界のジャーナリストは喜びます。

そしてあなたは、このパフォーマンスの後、日本国首相を辞職すればいいのです。そうすれば政治生命はうしなわれることはありません。勇気のいることです。肝っ玉のいることです。そのあと、あなたは、選挙民から「帰ってきて」と声がかかります。
その時は、国内問題のどんな難問だって片付けることが出来るでしょう。

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