打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

11:打てば響く(11月6日) 転載
北極星 11/06 20:31
11月6日 アメリカの大統領選挙

 アメリカの次期大統領が、バラク・オバマに決まりました。当選確実となっ
たあと、マッケインの敗北宣言、オバマの勝利宣言を聞きました。老人には
暇がありますから。英語耳を持っていないので、そのあとも、インターネット
のビデオを何度も見直しました。ジェシー・ジャクソン牧師が、大泣きをして
いるのが印象的でした。アップされる黒人たちの喜びの表情と涙を見ている
うちに、アメリカの黒人にとっては、オバマの勝利は、特別な意味を持ってい
ることが、よくわかりました。

 しかし、オバマが当選するには、たくさんの妥協を重ねてきたでしょう。か
れに託される大きな希望が、大変な重荷になることも、理解してやらねばな
らないでしょう。キング牧師の「わたしには夢がある」という有名な演説を思
い出しました。夢には重みがあるのです。

 われわれ老人も、「われわれにはできる」を真似なければいけない。日本
の政治を変えることは、可能です。われわれにもできる。でも、言葉だけで
はだめなようです。老人党もインターネットを使うことまでは、正しい選択だっ
たかもしれませんが、オバマを支えたような組織を作っていけるか、考えね
ばなりません。そのことを含めて、深く考えさせられました。大衆政治と批判
する人もいるかもしれませんが、「われわれにはできる」のような、何万の人
間が一緒に叫べるような言葉を作れるオバマは、政治の天才です。

 世界中の人間に、アメリカの大統領を選ぶ投票権が与えられていたなら、
圧倒的多数でオバマは当選していたでしょう。世界の世論調査を見る限りは
そうでした。しかし、オバマはアメリカの大統領であり、アメリカの利益を優先
するでしょう。もし大不況対策として、米国の国内経済を優先させるなら、ア
メリカへの輸出に依存している日本の産業は、大きな打撃を受けるかも知
れません。そうした先を読める政治家が日本にいるか、残念ながら、今の日
本には見当たりません。しかし、必要はそうした政治家を生み出すもので
す。期待しましょう。日本にも若いオバマのような、政治家が出て欲しいです
ね。出てくれたら、われわれで、育てましょう。「われわれもできる」です。

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