打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

20:打てば響く 2009年7月30日分 転載
ビートル 07/31 00:13
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7月30日 感想

軽井沢町長からは、未だに返事なし。八月一日に軽井沢に行き、現状を見て、次の行動を考えます。
選挙間近ということもあって、原稿の依頼が多く、医事新報の巻頭コラム「プラタナス」にも「老人の一票」という題で、老人党について書きました。全国の医師の間に広く読まれている雑誌です。これまで医師会は、自民党の支持者が圧倒的多数を占めてきた団体ですが、ここでも変動が起きているようです。
次の日曜日、八月二日の東京新聞に、老人党は今、というような題で、大きくインタビュー記事が載ります。老人党発足当時、この新聞は、われわれを大きく取り上げてくれましたが、当時の責任者は、二年半アメリカに転勤となり、特派員としてオバマの選挙に密着取材していました。最近日本に帰任され、再び老人党を追跡してくれることになりました。

さて、ここからが、本題です。

題は「民主党よ、焦るな」としましょう。
民主党はマニフェストを発表しましたが、このマニフェストを読んで、「鳩山よ、民主党よ、焦るな」と声をかけたくなりました。そんなにばら撒かなければ、勝てないと思っているのか。待っているだけで、熟した果実が落ちるように、政権は民主党の手に落ちてくるのに。このマニフェストは、票欲しさに、ばら撒きの約束をしすぎています。有権者は、もう少し賢くなっています。このマニフェストなど、あってもなくても、民主党に投票します。有権者は民主党支持者としてではなく、この辺で政権交代させ、霞ヶ関のアカを落とさせようと考えています。つまり、キングメーカーとして投票するのです。今こそ自分たちの意志で、選挙で政権を選択できるのだ、という充実感をもって投票するのです。
高校教育を無償にするなどという約束は、ばら撒きです。麻生と同じことではないですか。勉強する気持ちの強い子どもで、家が貧しい人を、授業料を免除するというのは分かります。資産家や政治家や高級官僚の息子や娘まで、無償にすることはありません。親が、塾通いに、高いお金を、払っている子どもたちの授業料を無償にする必要はありません。限りある税金を、無駄に使うことはない。全員にばら撒くより、援助を集中することがのぞましい。同じ予算なら、本当に援助して喜ばれる人たちに、十分な額が行き渡るようにするべきです。「もらわねば損」という考え方より、余裕のある人が困っている人を助ける、助け合い、相互扶助の精神で、少ない予算をやりくりする。これでこそ、日本に住んでいてよかったということになります。愛国心なんて説教しないでも、自然にこの国への愛情がわきます。困ったときに助けてくれる、人への連帯感としてです。
年金も基礎年金をちょっぴり上げるだけでは意味がありません。ここにも相互扶助の哲学が感じられません。人をまとめていく原理としての哲学が、助け合いです。これまで競争して、格差社会を生んだのだから、別の方向に舵を切ろう。有権者のその気持ちが分からないなら、民主党は、その点で、まだ成長しなければならないでしょう。
老人党の有権者は、美味しい約束を待っているのではありません。もう少し政治的に成熟しています。他の有権者は、小泉登場のとき、英雄待望のような気持ちで、投票したかもしれません。しかし、今では、英雄待望のような気分で、自民党に絶対多数を与え、日本を格差社会にしてしまったことを悔いているでしょう。その人たちも、反省して、ちょっぴり政治的に成熟しているはずです。
民主党よ、老人党のこうした意見に、耳を傾ける余裕をもてますか。焦る必要はないのです。

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