28:打てば響く 2010年4月5日分 転載 珠 04/07 13:23 4月5日 最近の感想です 「老人党は忘れていない」 去年の九月に、総選挙で大勝して、民主党政権が発足してから、半年が過ぎました。 まだ半年か!と感じる人もいるし、もう半年も!と感じる人もいるでしょう。 この内閣は、公約だった「子ども手当て」や「高校授業料無料化」は、早々と実行しましたが、老人に対して約束した、「後期高齢者医療保険の廃止」の方は、何時になるか分からない状態です。次の総選挙まで、今の中途半端な《待ち》の状態が、ずっと続いてしまう可能性が高いですね。 でも民主党よ。老人は忘れっぽいからと思っていると間違いですよ。確かに、個人個人としての老人は忘れっぽい。しかし、老人党のようなグループになると、忘れっぽくなくなるのです。一人が忘れても、他の誰かが必ず思い出させてくれます。 老人は忘れていないですよ。次の選挙が怖いですよ、と脅しをかけたいところですが、二大政党時代になると予測していたのに、自民党が崩壊してしまったのが誤算、闘わぬ前に、自分でこけてしまうのは、自分でも格好悪いと思わないのですかね。しかも、公明党が自民党を見限って民主に擦り寄ってきています。接戦のときに、発言力が強まる老人党としては、この状況は想定外です。 「連立している社民党よ、後期高齢者問題を取り上げろ。老人の票を拾うチャンスだぞ」とでもいっておきましょう。ともかく老人党がこの問題を忘れていないことは強調しておきましょう。 「茜色の雲」 最近、辻井喬の「茜色の雲」という小説を読みました。小説と銘打っているが、ほぼ大平正芳の忠実な伝記といってよいでしょう。外相のときに佐藤内閣による沖縄返還時の置き土産的密約を知って悩むところがあります。岡田外相に密約問題のヒントを与えたのは、この著者ではないかという気がします。戦後日本の前半の政治史の小説化といってもいいでしょう。 小説として読めてしまうので、読み出したら、途中でやめられない。ほとんどの関係者が実名で登場します。数人だけが、本名でない。だからこそ、こいつはだれだ、このいやな野郎は!と詮索したくなりますが、それも読者を巻き込むための著者の術かもしれません。 六〇年安保の時代を政権の側の視線で見せてくれます。そしてあの時代の自分の記憶も、けっこう希薄になってきていることを思い知らされました。鮮明に覚えていたつもりだったことが、思い違いだったりして。 元青嵐会のメンバーが、定年で追い出される時代なんですねえ。 |