3:老人党メルマガ(221-1) 北極星 06/01 05:37 roujintou-news ::: 老人党メルマガ(221) ::: 2008/6/1 ★投稿番号などを使って関係記事の呼び出し方を今号の文末で紹介しています ========================================================================= 【2160】どちらが日本にとって得なのか 珠 【2119】Re: 食糧危機と日本の農業 もぐら 【2123】Re: 食糧危機と日本の農業 もぐら 【2137】Re: 食糧危機と日本の農業 pierre 【2124】飢餓とは peace 【2126】Re: 飢餓とは peace 【2121】パンとご飯の値段(再) J.J.McC III 【2127】Re: パンとご飯の値段(再) J.J.McC III 【2133】追い詰められる生活保護受給者 よるがほ ========================================================================= 【2160】どちらが日本にとって得なのか 珠 2008-5-31 23:37(編集) ▼ギアえもんさん: 中国政府のチベットへの圧制は言うに及ばず、ガス田資源問題、食料の農薬汚染、密航者の問題など中国が多くの問題を抱えていることはまさにその通りです。私たち日本人から見ると、苦々しく思うのも当たり前と思います。 オリンピックの聖火にまつわる混乱は、まさに今の中国政府への、各国民衆の批判が噴出したものだったと思います。 しかしそれでもなお中国は、日本の隣国として厳然として存在し、日本はそれを無視するわけには行きません。なおかつ日本は食糧・衣料をはじめ多くの物品の生産を、人件費の安い国として中国に頼っていることも事実です。ギアえもんさんが着ている服や、食べているもの、使用中の日用品の中にも、中国の生産品がたくさんあると思います。日本の経済は中国抜きでは考えられないほど密接です。 こうした隣国に対して、まるで「反中」教育でも受けたかのように、在日中国人は皆スパイだ、中国は日本の敵だと「反中」を言い立てていては、まるで日本人を、ギアえもんさんのいう「反日」と同じレベルに引き下げたいわけでしょうか? 日本人としての誇りがあるなら、それこそ大人として、中国に対して問題点はハッキリ指摘し、改良すべきことも指摘しながら、しかもそれが国際的にも認められるような良識ある行動をとるべきで、まるでダダッ子のような敵視政策を取るのは、日本として損だと私は思います。 ギアえもんさんが対中国に譲らせたいことは、外交交渉で解決するしかないのです。少々の威嚇で譲るような相手ではないと思います。「叩きのめすぞ」(威嚇)で引っ込む相手なら別ですが、今の中国を日本が叩きのめす(戦争)のは不可能でしょう。 喧嘩は怪我する(戦争で多くの人が傷つく)かもしれないし、死ぬ(敗戦)ことだってある。相手にも不利益を被らせられるが、自分も被ります。 それなら巧みな外交交渉の方がずっと上手い解決方法ではないでしょうか。その時に国民が相手国をむやみやたらと敵視し、敵対しながら交渉するのでは、相手をかたくなに硬直化させるばかりで損ですから、日中友好をいい、握手をしながら、もう一方の手でしっかり利益を握る。それが巧みな外交交渉ではないでしょうか。 喧嘩を仕掛ける振りをしたり理不尽を言ったりする相手であるなら、そのレベルに下がって対抗して混乱を引き起こすのではなく、こちらが大人になって、より良い仲直り(交渉方法)を探ることです。まずは相手を宥め、落ち着かせるために相手の立場も認識しながら(友好)、ハッキリと問題を指摘しつつ改善を勧め、互いに折り合えるところを探る(外交交渉)。それでも聞かなければ、周辺(各国)を味方につけて交渉する。 怒るお気持ちはよく分かりますが、ダダっ子のような喧嘩方式では溜飲は下げられるかもしれませんが、得(国益)にはならないでしょう。どちらが国益に適うか、もう一度、お考えになってみてはいかがでしょうか。 再度申し上げておきますが、私は「日本の国益」を考えれば、隣国と敵対状況になるように国民を煽るのは、日本にとって損なやり方であると申し上げているのです。 また、それこそ中国の事例を見て、「敵を外に作ること、殊に隣国を憎ませるのは、内政を批判され正されることをごまかしたいときに、国民の目を政府からそらすために、よく使われる手」であることを、覚えておいた方が良いと思います。 ------------------------------------ 【2119】Re: 食糧危機と日本の農業 もぐら 2008-5-26 0:38 どういうやり取りがあったのか知りませんが、察するところ大手資本の参加賛成の意見のようですね。今の農家単位の農業が必ずしも100%いいとは私も思いませんが、かといって食糧生産に関し経済性を重視しすぎるのはあまりに危険。 まあ、自民党は規制緩和の一環で大手資本の参加を推進する立場だから、少なくともその将来ビジョンをもっとはっきり示すべきです。日本の農業をどう変えるのか。車や電化製品を輸出するのと引き換えに、食糧は今後も輸入自由化を進めるのか。米も海外からの輸入が迫られていて、ミニマムアクセス米(MA米)なんてのを押し付けられているし。 日本はまだ米は自給できているからいいけど、アフリカなどは欧米などからの安い穀物に頼っていて、それがバイオ燃料や天候不順で価格が高騰し、アフリカ各地で暴動が起こっています。 (欧米の穀物が基本的に安いのは、自国の農家保護のために国が補助金を出して安く輸出できるようにしているから) 他国の農業を破壊してまで輸出するんだったら、バイオ燃料なんかで急激に値段を上げずに、コンスタントに輸出を続けなければフェアじゃないです。 洞爺湖サミットでは食糧問題が議論されるようですが、どこまで本質的な議論がなされることやら。 穀物輸出が重要な産業である欧米が、サミットの参加国だから、あまり期待できないでしょう。 ------------------------------------ 【2123】Re: 食糧危機と日本の農業 もぐら 2008-5-26 22:53 (編集) >洞爺湖サミットでは食糧問題が議論されるようですが、どこまで本質的な議論がなされることやら。 おそらく、どの国が何トン援助するかといった、たいへん人道的でありがたい話が主で、アフリカの農業をどのように再生させるかといった根本的な議論はなされないでしょう。日本としては、アフリカの農業再生を積極的に訴えて 欧米を牽制すべきです。これは結局 日本農業再生にもつながります。 ところで、バイオ燃料に関し、最近 欧米自身からバイオ燃料推進への批判が高まっているようです。 http://escala.jp/news/news_detail.php?record_id=15249 ブラウン英首相は、EUが推進するバイオ燃料の使用拡大政策は見直しが必要だとの考えを示した。(EU批判) http://newsing.jp/entry?url=headlines.yahoo.co.jp%2Fhl%3Fa%3D20080430-00000104-jij-int トウモロコシなど主要穀物の世界的な指標市場となっているシカゴ商品取引所を傘下に持つ世界最大の先物取引所CMEグループのレオ・メラメド名誉会長は、「トウモロコシを原料とするバイオ燃料はエネルギー供給の小さな部分しか賄えず、(米議会が)バイオ燃料の利用拡大を奨励したことは間違いだったと思っている」との考えを示した。(アメリカ批判) 別に、バイオ燃料が普及して、原油価格暴騰が抑えられるんだったらいいけど、全然歯止めはかかっていないし。そもそも石油を使ってバイオ燃料を生産するんだから、石油やバイオ燃料の原料となる穀物価格が高騰するのは予想されていたこと。そして、もうバイオ燃料は批判の対象となって来ているから、原油価格の低下はますます望めなくなります。 ------------------------------------ 【2137】Re: 食糧危機と日本の農業 pierre 2008-5-30 18:33 ▼もぐらさん: 元農水相の中川昭一氏が、雑誌『中央公論』に「日本の農業は再建できるか」という一文を発表し、「消費者よ、コメに還れ」と訴えている。中川氏の考えは、「世界的に穀物が逼迫する中、わが国にとって幸運なのは、コメが自給できていることである」という認識が前提になっている。 しかし、その中川氏の考えにはいくつかの疑問が残るのである。まず第1に、本当にコメは自給できているのだろうか。それは、中川氏も言うとおり「ピーク時には1人当たり年間130kgのコメを消費していた日本人が、今や半分以下の60kg弱しか食べていない」から賄えているに過ぎないのではないか。 仮に日本人がピーク時と同じように食べたら、国産米で本当に間に合うのか。今や4割に達するという休耕田が直ぐに復活するだろうか。高齢化してしまった農業従事者の実態から見て、そう簡単にいくだろうか。 第2に、日本人がピーク時の半分もコメを食べなくなったということの持つ意味について考えてみたいのである。これはコメが中心であった日本人の食文化が、この半世紀で大きく変わったことなのである。それは少し大げさに言えば“革命的”変化なのである。こういう大きな変化は、自民党の大物政治家が「コメに還れ」といくら呼びかけても、そう簡単に元に戻るものではない。 新聞によると、自民党の「日本の活力創造特命委員会」の中間報告の素案に「コメの新需要創出(米粉、飼料、バイオ燃料)」が掲げられ、「コメの生産調整(減反)を見直し、…コメ利用の多角に向け休耕田を活用し、供給量を増やす路線」 掲げたと報じていた(『日本経済新聞』2008.05.27.朝刊)。 大幅減反してもまだ余るコメ、それに加えて「ミニマムアクセス」でさらに輸入までしているのだから、その余るコメの「新需要創出」をしなければならないというのは分かるが、この“革命的変化”を見せている日本人の食文化に相応するように、新製品の供給増加をどうして農業は、はたまた農政は考えないのだろうか。 コメの需要が減少したのは、それが主に小麦需要にとって代わられたからである。しかも国産の小麦は、パンや麺の原料に不向きと言うから、国内の需要の9割は輸入されている。つまり、輸入小麦への需要はこの半世紀で飛躍的に高まったのである。 そこで疑問の第3であるが、それだけ需要が急増してきた小麦を、国内の農業はなぜつくろうとしなかったのだろうか、またこれからもしないのか。極めて短絡的だが、食糧自給率の急低下は、こういう農業の供給に対するスタンス──つまりは需要の変化を顧みないコメ偏重──にかなり負うところがあるのではないか。 中川氏は「需要があってこそ、供給側のモチベーションは高まる」と言う。しかしこの言葉をひねって解釈すれば、農業従事者のモチベーションが仮に低下しているとしたら、それはコメの需要を減らした消費者が悪いと言っているように聞こえるのである。 もぐらさん、貴方は >今の農家単位の農業が必ずしも100%いいとは私も思いませんが、かといって食糧生産に関し経済性を重視しすぎるのはあまりに危険。 と言われる。たしかに過度に重視するのは問題だ。しかし農業というものは一言で表現できないほど、多様な要素を持った産業ではあるが、その本質はモノを生産、販売して収益を上げると言う意味で優れて経済的な活動に他ならない。 そうであれば、消費者の需要動向を見極めて、その変化に対応して供給する商品を変化させるのは当然のことではないか。 つまり、今まではあまりにその経済性が無視されていたのである。だから、そういう問題にまで立ち入って考えないで、ただ「コメに還れ」と言うだけでは、恐らく食糧自給率は改善しないし、ましてや日本の農業の再生も危ういのではないだろうか。素人なりに極めて常識的に眺めれば、そう思えてならないのである。 |