打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

38:打てば響く 2012年6月29日分 転載
ビートル 06/30 14:23
 なだいなだのサロン、コラム『打てば響く』2012年6月29日の記事を転載します。

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6月29日 松下政経塾の思想

 今度の、消費増税法をどう評価するか。衆院可決後の、各界の反応なるものを見れば直ぐに分かる。消費者はため息をついている。野田は、消費者のためには働かなかった。単純にテレビに出てくる顔を見ていれば、野田ドジョウの仕事が、だれのためか分かる。喜んだ人たち、満足した人たちは、だれだったか。財界は大満足だった。自分たちが、その分だけ課税を免れるからだ。消費者以外に困った人たちは?中小企業、ことに中小の商店や、飲食店だ。
 自民党、公明党はなぜ、野田に協力したのか。自分たちの働きを、喜んだ人たちに、見てもらうためだった。いい子でしょう、というわけだ。
 しかし、協力したのに、最大の功労者は野田だなどと、財界に評価されたら困る。それで、複雑な顔をしているのだ。三党協力しておいて、選挙はなんで争うというのか。
 次の選挙で、大企業の選挙に対する資金的係わりを、よく監視することだ。
 政党に寄付する余力があるなら、その分税金を払えばいい。国の財政を憂えるなら、まず税金を払え。政党はちゃんと政党への交付金をもらっているのだ。選挙はその範囲でやればいい。免税の寄付はいらない。
 公明党も、創価学会が、宗教を隠れ蓑に税金を払っていない点を突かれるのが怖いので、必死になって、消費税増税に賛成した。今、ハコモノをたくさん作っているのは創価学会だ。
 消費税を福祉と結びつけるなどというが、竹下内閣の消費税導入の口実は将来の福祉への備えだった。これまでの消費税が、目的以外に使われていたことがおかしい。
 そもそも、年金が不足したのは、運用の誤りで、ドル建て債券をたくさん買い込んで利子を儲けようとしたところにある。わずかの利子の儲け分など、ドル安でふっとんだ。その間違いを、消費税で補おうとしているだけだ。まず、その失敗の責任者を、はっきりさせることだ。
 ヨーロッパは、財政的な切り詰めだけを目指す、これまでの保守派の政策が見直されつつある。ユーロの導入は、財政の統合努力なしに、通貨の共通化を先取りしたものだ。その矛盾が今現れている。
 オランドがフランスの大統領になってから、財政赤字を増やさぬ努力をしながらも、公共投資を増やそうという方向を目指し始めた。
 日本も、真似をして、新幹線建設を進めるという、方針を明らかにしたが、それを税金から出すからいけない。今の銀行の定期預金より少し高めの新幹線建設国債を発行すればいい。そして、地方の新幹線は、郵便、宅急便に利用させればいい。東京大阪間は少々過密だが、それ以外の新幹線には余裕が十分にある。東北新幹線の貨物利用は、さほどの投資もせず、流通に大いに効果を上げられる。法律を少し変える必要はあるだろうが。
 新幹線は、国債の売れ具合によって進めればいい。ぼくは外債にはこりた。これからは日本の未来に投資する。そういう老人も多いはず。大損するより、インフレヘッジ位の安い金利でいい。老人が、若者の失業対策にも少しは役立てる。
 大まかな線だが、社会党、共産党あたりが、もう少し肉付けをして、次の選挙に国民に訴えて見たらどうか。
 大飯原発の再稼働でも、野田ドジョウは、財界のために泥にまみれて働いた。かれの決断で喜んだ顔を思い浮かべればいい。国家を第一に考え、国家なるもののために、国民に犠牲を強いる。その思想がどうやら松下政経塾出身者に共通のものらしい。

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