打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

45:打てば響く 2012年11月3日分 転載
ビートル 11/03 21:46
 なだいなだのサロン『打てば響く』2012年11月3日の記事を転載します。

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11月3日 常識で考えようの5

 ちょっとこれまでと調子を変えます。
 短い読書の感想です。

 みなさん、今、ベストセラーになっている『戦後史の正体』孫崎享著を読まれましたか。是非読むことをお勧めします。
 ぼくも薄々そうであろうと感じていたことが、実例の引用付きで、裏打ちされています。やっぱりそうだったのか、と納得することばかりです。
 読むと、日本人の、戦後に関する常識が、完全に覆されます。痛快といいたくなるほどです。

 かれを次の東京都知事選に立候補させようという動きがあるようですが、本当だったら面白いですね。ぼくは20年ほど前に鎌倉に移住し、東京都民ではなくなってしまったので、投票できないのが残念ですが、かれが都知事になれば、石原慎太郎や、橋下大阪市長とは比べ物にならない、存在感のある首長になるでしょう。ぼくはベストセラーは眉につばをつけて読む方ですが、この本の論理性には、帽子を脱ぎます。
 しかもこの本を書いたのが、かつての外務省国際情報局長で、防衛大の教授という肩書きを持った人だとは!
 こんな肩書きを持った人の本を、ぼくが進んで読むことはなかったでしょう。ベストセラーになって、本屋で平積みにされて、ぼくの目にとまったから、立ち読みした。それがきっかけで読むことになりました。するとあまりに面白くて、やめられなくなってしまったのです。
 これまでだったら、ぼくは元外務省官僚とか防衛大の教授という肩書きを見たら、手に取る前に、敬遠してしまったでしょう。ぼくのこうした肩書きを持った人たちへの偏見が大きかったことを、証明されたようで、ちょっと反省しています。

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