打てば響く(『なだいなだのサロン』コラム) 転載

52:打てば響く 2013年3月8日分 転載
ビートル 03/08 19:27
なだいなだのサロン『打てば響く』2013年3月8日の記事を転載します。

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3月8日 感想と報告

 以前に自分は「前立腺がん」だと報告しました。この時の告知で、自分の人生の終楽章が始まったようだという感想も書きました。ほぼ二年くらい前になります。
 それから現在までたゆまず治療中でしたが、PSA指標は落ち続けたままです。このままで済むのだろうかと思いかけた最近になって、違った展開が見られるようになりました。
 最近、上腹部(胃のあるところあたり)にしつこい痛みを覚えるようになり、近くの病院を紹介され、胃カメラ、CTなどをすることになりました。
 ぼく自身が医者の端くれですから、検査の前、膵臓あたりの痛みではなかろうか。もしかしたら、利尿降圧剤の副作用による、慢性膵臓炎ではないかと自己診断していました。検査の結果は、内科医に、膵臓はあたっていますが、膵臓炎ではなく、がんです。しかもかなり広がっています。もう、手術はできません。と告知されました。がんの告知は二度目。
 二度目になると告知慣れです。はいそうですか。人生終楽章のなかばの展開部のエピソードですな、と受け止めることにしました。
 進行を食い止め、痛みを抑えるための、放射線療法、抗がん剤両方が始まります。抗がん剤は飲み始めましたが、ボディーブローのようにじわり効いてくる感じです。
 がんの方にも効いてくれればいいのですが。

 ということを、皆さんにも報告します。老人党提案者として、報告の義務があるだろうと思うからです。

 個人的には、今は、中途半端になっている本の企画を、どんどん実現していこう。時間との勝負だな、積極的な気持ちになりました。
 中江兆民が「一年有半」を書き始めた気分です。兆民は日本で最初にがんの告知を医者に迫った人です。
 「本当のことを言ってください。こっちのつごうもあります。このあと最大でどのくらい生きられますか」。
 その返事が「長くて一年半」でした。
 既に前回の感想に書いたと思いますが、「治らないの意味」という本を「中央法規」という出版社からだしました。題名が題名なので、奇妙な一致ですが、偶然の皮肉です。本が発売される頃になって、告知があったのです。

 そちらはいいのですが、問題は老人党です。
 これからのことですが、まだぼく自身はどうするか、どうできるか、考えていません。
 皮肉なもので、先を見越すことのできる老人党のような掲示板は、現代の政治状況を見ていると、ますます期待されるものになっているように思えます。
 しかし、この掲示板へのぼくの寄与は、これから、どうしても減少せざるを得ません。このさきのこと、皆さんにもよく考えていただきたいと思います。
 ともかく一つの区切りの時期に来ているとは思います。

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