5:老人党メルマガ(274) 北極星 06/07 06:56 roujintou-news ::: 老人党メルマガ(274) ::: 2009/6/7 老人党掲示板 http://6410.saloon.jp/ ========================================================================= 【5444】Re: 冤罪について H.KAWAI 【5412】軍靴の足音 k.satou 【5419】Re: 軍靴の足音 もぐら 【5423】Re: 最近、思うこと あくまの査問官 【5413】厚労省の再分割は哲学なき行政改革の証明 やまちゃん 【5438】Re: 箸墓古墳を発掘すればいいではないか もぐら 【5409】オフライン支部便り:須藤正剛さま 笹井明子 【5448】Re: オフライン支部便り 須藤正剛さま 珠 【5410】オフライン支部便り:太田博さま 笹井明子 【打てば響く】これから、何度も繰り返していう なだいなだ ========================================================================= 【5444】Re: 冤罪について H.KAWAI 2009-6-6 14:12 ○「足利事件」はDNA鑑定の結果が有罪の証拠とされ、その再鑑定の結果、冤罪であったことが判明したとのことでありますが、何とお粗末なことでありましょうか。 ○とはいえ、これが単純に裁判官の問題だけでないことも確かなことでありまして、大きく言いますれば社会全体の問題なのでしょう。 ○ただし決定的なのは最終的に当時の怪しいDNA鑑定を過大評価した最高裁判事の知性の欠如と言うべきでしょうね。 ○ただ、私がこれを社会全体の合作と考えますのは、先ず、幼女を暴行の上殺害するなどは最悪の犯罪行為とされますので、メディアが大々的に報道します。 すると警察には是非とも犯人を逮捕しなければ「威信」に関わるとの「プレッシャー」がかかる訳です。 ○犯人逮捕に手間取っておれば、刑事には県警本部長あたりから矢の催促です。おそらくこういったケースでは聞き込みと平行して「前」を持つ人物が片っ端から「引っ張られる」のでしょう。 ○刑事は「この中に犯人がいる。」と「確信」していますので、後は「落とす」だけと強引な取調べを厭いません。「弱み」を持っている容疑者なら「仕立てる」ことだって厭いません。 ○検事は「法律屋」ですから調書の細かいことは気にしますが、全体の構成については案外無頓着なのでしょう。あっさりと起訴してしまいます。 ○裁判官は検察官と弁護人との攻防を聞いて軍配を上げるだけですから、弁護人が下手か不熱心であれば検察官に軍配を上げるしかありません。裁判官の職務は行司でしかないからです。 ○地裁の判事だってボロボロの判決文を書く訳がありません。そこは上手く作文してあるわけです。 結果に疑問が残るようなヘマはやりません。 ○かくて地裁の判決は高裁でも踏襲され、最高裁は事実審はやりませんので、ここでの審理はもう当てにできません。 ○こうして判決が確定しますと、再審への門は固く閉ざされているという訳です。 ○ここで再びメディアが登場します。「犯人」は実は無実だったというのは極めて「大事件」であります。 これは「スクープ」であります。メディアが大々的に報道すれば当局もこれを無視することは出来ません。 ○皮肉なことに冤罪の種を播いたのはメディア、育てたのは司法、刈り取ったのはまたもメディアってことです。 ----------------- 【5412】軍靴の足音 k.satou 2009-6-1 7:39 改憲関連の09年度予算は、46億9400万円(08年度7200万)とされる 内訳 1 投票人名簿システム 46億2400万 2 法の周知 2300万(リーフ300万枚ポスター5万枚) 3 投票関連整備 1700万 4 その他事務費 3000万 パンフレットの表紙に ご存知ですか?平成22年5月18日から憲法改正を国民投票法として施行される。 まだ論議も不十分なまま、まるで既成事実のように憲法改正国民投票法が施行されるとする。 在任期間中の明文改憲をすすめた安倍前首相が政権を投げ出して一年半。 在任中強行採決された憲法改正(悪)手続きともいうべき国民投票法。安倍はまことに改憲派にとっては有能無比! なんとなく改憲の動きは死んだふりをしながら着々と海賊退治を名目に海上自衛隊をソマリア派遣をしたり、 そしてP3Cまで! 既成事実を先行させようとする。 あなたは もうあきらめなさい!所詮 貴方が反対なんかしたって!というのだが! ----------------- 【5419】Re: 軍靴の足音 もぐら 2009-6-1 23:41 (編集) ▼k.satouさん: >改憲関連の09年度予算は、46億9400万円(08年度7200万)とされる 約47億ですか。護憲派から見たらなんて無駄遣いなことか。雇用対策に注ぎ込めばいいものを。 さて、国民投票法については、これが改憲につながるものだという認識を持っている人は少ない、という世論調査の結果をたしかNHKのニュースで言っていたと記憶しています。国民の認識が低いことは自民党の思惑通りであり、自民党にとって都合のいいことでしょう。 しかし、この法案の成立後、「守屋事件」、「イージス艦と漁船の衝突事故」、「田母神論文事件」など防衛省・自衛隊の無能ぶり・トンデモぶりが次々と明らかになり、いくら国民投票法に対する認識が低くとも、実際の改憲の話となると、さすがに国民の意識も変わると思いますけどねえ。今の状況では改憲に慎重な国民の方が多いと思います。 あまりのひどさに、いっそ憲法通り自衛隊を一度なくすべきと考える国民も増えたかもしれません。私は基本的に9条護憲の自衛隊を認める派でしたが、私も一度なくしてもいいと思います。ここでは自衛隊廃止論者が多いと思いますが。憲法に従えばなくすのが正論。 それにしても、今の社会情勢は改憲どころの話ではないでしょう。まあ、自民党はどういう状況であろうと あの手この手で改憲への道を進めると思いますが、民主党は政権を取ったら、とりあえず改憲論は棚上げするのが無難でしょう。 ----------------- 【5423】Re: 最近、思うこと あくまの査問官 2009-6-2 7:23 久しぶりに投稿します。 昨今の日本を考えている内に、『勉縮のススメ』(著者:松山幸雄 発行所:朝日新聞社)という古い本にある一節を思い出しました。 >戦前、日本の軍艦はまず大砲を積めるだけ積んで、余ったところに兵員室をつくったが、アメリカの軍艦はまず兵員室をつくり、余った箇所に大砲を積んだ。「だから日本は強いのだ」と日本人は思い、 「だから日本は結局負ける運命にあるのだ」とアメリカ人は感じる――この差は、いまだに克服されていない。 日本における過酷な経済状況・労働状況。それを容認する政府の姿勢。 「国際競争力をつける為に」との理由と現実(国力の低下)との食い違い。 これらを思うと、この一文は正にその通りだと思います。 バブルの崩壊と「失われた十年」。 確かこれは「第二の敗戦」と表現されていましたが、この分では「第三の敗戦」も近いでしょうか。 いえ、既に第四・第五と負け続けているのかも知れません。 ---------------- 【5413】厚労省の再分割は哲学なき行政改革の証明 やまちゃん 2009-6-1 11:08(編集) >【5390】厚労省の再分割は哲学なき行政改革の証明 http://6410.saloon.jp/modules/bluesbb/thread.php?thr=546&sty=2&num=1 から、何時も疑問に思う事。 >社会保険庁のホームページ 全国健康保険協会管掌健康保険と厚生年金保険の保険料額表 http://www.sia.go.jp/seido/iryo/iryo21.htm >「特定保険料率及び基本保険料率につきましては、こちらをご覧下さい。」 と、更に >【平成21年3月分(4月納付分)からの一般保険料額内訳表 PDF / Excel 】を、 開いてみてもらえば解りますが。 厚生年金の保険料は、現役時代に40年の満額保険料を所得格差によって納めて、公的年金の受給資格を得れば、新たに年金保険料を納めなくても、生涯にわたって公的年金を、二ヶ月ごとに支給されます。 対する、公的各種の健康保険についても年金の保険料と類似したシステムで40年間収めれても年金と違い高齢者用の健康保険料を収めなければ医療が受けられない矛盾した仕組みの制度を何時も思っています。 これに類似した民間の生命保険で、旧簡保のカンポ保険を含めた、終身保険では、保険料を満額収めた後は保険料を払わなくても、契約保険額によりますが終生給付が受けられる有利さが見られます。 今問題となっています、現役の健康保険と高齢者向けの後期医療保険との公的保険制度のあり方で、年金・医療等で関連した制度を哲学的理念として参考となるヒントとなるのではと考えます。 ---------------- 【5438】Re: 箸墓古墳を発掘すればいいではないか もぐら 2009-6-4 22:05:25 ▼pierreさん: >古代史の研究が靴の裏から足を掻くような愚をこれ以上繰り返さないために、陵墓・陵墓参考地の学術調査を全面的に解禁すべきでなのである。 同感です。これは調査したいですねえ。箸墓古墳が卑弥呼のものだったら日本の成り立ちにどういう影響を与えるんだろ。 ところで、憲法88条(皇室財産・費用)では次のように定められています。 『すべて皇室財産は,国に属する。すべて皇室の費用は,予算に計上して国会の議決を経なければならない』 これからすると天皇陵は国のもの。国のものということは国民のもの。一概に宮内庁のものではない。つまり国民の同意があれば調査も可能ということになるでしょう。 Wikiを見たところでは、箸墓古墳の築造年代 は3世紀中頃。ここに埋葬されているとされる倭迹迹日百襲姫命(第7代孝霊天皇の皇女)は、紀元前90年頃に生きていた人であり、300年くらいの開きがあります。これを見ただけでも、箸墓古墳が倭迹迹日百襲姫命の墓と見るのはかなり無理を感じますねえ。私の勘違いでなければ。 これに対し、卑弥呼が死んだのは248年頃。普通に考えれば卑弥呼の物である確立の方が断然高いですね。というか、卑弥呼の物で決まりでしょう。調べて卑弥呼の遺品もしくは遺骨でも出てくれば衝撃。 もっとも、卑弥呼でも倭迹迹日百襲姫命の物でもない可能性もあるわけであり、こうなったらこうなったで話は面白い。あるいは、どちらかが どちらかのモデルになってるとか。 まあ、この調査は天皇制云々とは完全に切り離して、100%学術的・科学的見地から調査すればいいと思うんですけどね。私はそのつもり。 皇室祭祀の「静安と尊厳」が守られるかという宮内庁の言い分がありますが、こういった考古学の調査においては、墓や遺骨等があればそれらを調査するのはある程度やむを得ない面があります。調査の仕方と気持ちの持ちようでしょうねえ。日本の正確な歴史解明のために宮内庁も協力しましょうよ、といった所。 ちなみにツタンカーメンのミイラは2005年にCTスキャン撮影され、2007年には一般公開もされています。 民主党はこの問題についてどう考えているでしょうか。天皇陵の学術調査をマニフェストに入れて欲しい。共産・社民は絶対マニフェストに入れるべき。無党派層の支持は得られるでしょう。 そうそう、民主党は霞ヶ関改革の一環として宮内庁改革も断行すべきですね。そうすればこの問題も前進するでしょう。宮内庁はいっそのことなくしましょう。(そうすれば、雅子妃の体調もよくなることでしょう) 文科省はどういう立場なんだろ。基本的に宮内庁擁護なんだろうか。そうなら文科省も改革断行。 結論は、とりあえず政権交代。 ----------------- 【5409】オフライン支部便り:須藤正剛さま 笹井明子 2009-5-31 15:20 「その命を生かすために」 「仏典の伝えによると、鬼子母は五百人の子を持っていたが、マガタ国首都の王城で他人の子供たちを殺して食べていた。 釈尊は彼女の五百人の子の中から、特別に可愛がっていた一人を隠したところ、鬼子母は半狂乱になって探しまわったが、見つけることができずに、途方に暮れて釈尊のもとに来た。 そこで釈尊は『五百人の子のうち一人がいなくなってもお前はこのように悲しんでいるのに、お前に食われた子の親たちの胸中はいかなるものか知れ』と諭した。鬼子母は深く罪を悔い、その後は誓願をたてて安産と幼い子供たちの保護と豊穣の神となった。」(中村元編著・仏像散策) 昨年9月の千葉県東金市での幼稚園児成田幸満ちゃん殺害。今年3月の稚内市内での本望龍生ちゃん殺害。 4月には大阪市西淀川区で、小学4年生の松本聖香さん殺害死体遺棄。 同じく4月29日に発覚した4歳児殺害と遺体冷凍隠匿など、子供たちを捲き込むやりきれない事件は後を絶たない。 虐待の環境に最近よく報道されるのは子持ちの男女の同居がある。その因果関係は不明だが、「躾」の錯覚から身勝手な暴力で殺害し、遺体処理に慌てる構図が見える。 借金や生活苦や闘病、いじめや引きこもり不登校に相性の悪さもあろう。人との板挟みであったり、何回言い聞かせても話を聞かない子供もよく見かける。親や同居者にとって、子育ては心身ともに大変な苦労を伴う生涯事業だが、しかしどのような理由があったにせよ、子供を虐待し殺して善いには絶対にならない。 自分の幼い子供時代を思い起こしてみると、答えに突き当たるのではないか。 自分は肉親や兄姉、先生方や友人先輩の言うことを素直によく聞く子だったか。成績最優秀で健康優良児だったか。 心配をかけたり迷惑をかけたことはなかったか。怒られたり叩かれたことはなかったか。 我が子や、都合で同居している子供を罵る前に拳を振り上げる前に、その命を生かすための親の反省や、子供の特性を理解する心が必要だ。そんなときに鏡を見ると、鬼子母のようになっている自分の表情に驚く筈だ。 我が国の15歳未満の子供の数は28年連続で減少し、総人口に占める割合も少子化で13.4パーセントと低迷。男の子878万人、女の子835万人。世界でも最低水準のワースト記録と総務省の人口推計。(北海道新聞5月5日朝刊)虐待ばかりではない。 子供が命を失うのは交通事故や病気、これからは海や川の水の事故、火災も多くなる。その動向にも注意が必要だ。 今日5月5日は子供の日。大人の欲が作り出した金融危機で、大きな夢の翼が折られることのないように、慈しみをこめて全国の幼児や子供たちの、明るく元気な成長を声援したい。 ----------------- 【5448】Re: オフライン支部便り 須藤正剛さま 珠 2009-6-7 0:54 ▼須藤正剛さん: 「その命を生かすために」のお手紙をありがとうございました。子供の命を大切にする社会でありたいと願います。 >自分の幼い子供時代を思い起こしてみると、答えに突き当たるのではないか。自分は肉親や兄姉、先生方や友人先輩の言うことを素直によく聞く子だったか。成績最優秀で健康優良児だったか。心配をかけたり迷惑をかけたことはなかったか。怒られたり叩かれたことはなかったか。 このことですが、虐待の原因を探っていくと、その親もまた虐待を受けて育っているという、虐待の連鎖が多くに見られると、専門家は指摘しています。統計によってバラつきがありますが10〜40%という数字が出ているそうです。 暴力・虐待の連鎖を断ち切るには、虐待を受けている子供を、親以外の、学校の先生や近所の大人たち、周囲の大人がしっかり愛して支えてやること。命の危険を感じたら、児童相談所や警察などに相談するなども必要でしょう。 また、虐待を減らすには、虐待をしてしまいそうな親たちを支えることも必要でしょう。経済的に切羽詰っていないか? 母親1人に育児の責任を押し付けていないか? 育児期の親たちを支える政策も必要ですし、労働時間など男女とも考え直す必要があるかもしれません。 >大人の欲が作り出した金融危機で、大きな夢の翼が折られることのないように、慈しみをこめて全国の幼児や子供たちの、明るく元気な成長を声援したい。 子供が幸せに育つ社会は、弱者を含む誰しもが生きやすい社会ではないかと思います。そういう社会を作り出す努力をしたいもの。そうすれば少子化も問題にならなくなるかもしれませんね。 ----------------- 【5410】オフライン支部便り:太田博さま 笹井明子 2009-5-31 15:27:21 「79回目の誕生日を迎えるに当たって」 6月24日、私は70代の最後、79回目の誕生日を迎えます。酒を飲んでいる時は考えられなかったことで、感無量です。 79年の人生を振り返ると、色々有りました。 私の生まれた昭和5年は世界的大不況で、失業者が町に溢れたといわれています。生まれた翌年の昭和6年には満州事変が起き、また昭和7年5月15日には五一五事件が起きて、時の犬養首相が銃殺されました。 昭和11年2月26日、二二六事件で青年将校が蜂起。昭和12年7月9日、小学校1年の時には支那事変がありました。 そして、昭和16年12月8日太平洋戦争に突入。昭和18年4月8日、北朝鮮の旧制元山中学に入学しましたが、3年になると組の半分が予科練に行き、多くの仲間が特攻隊を志願して国のため、尊い命をなくしました。その後、外にあっては日本軍の相次ぐ玉砕、内にあっては本土大空襲、そして昭和20年8月15日、旧制中学3年の時、終戦となりました。 昭和21年5月、北朝鮮より決死の脱出。日本に逃げ帰ってからは着たもの以外何もないゼロからの出発。 昭和25年9月上京、M社に入社。昭和20年代、30年代は、学生運動、労働運動が盛んな時代でした。 昭和40年代は高度経済成長で、毎月百時間を越す残業。 そして平成3年3月、無事定年を迎えたら、朝から酒を飲んでアル中と、まさに波乱万丈の人生ではなかったかと思います。 私が朝から酒を飲むようになると、これから実りある第二の人生を夢見ていた妻からは、「私の人生は何だったのよ」と食いつかれました。今はこのことを深く反省し、妻に「あなたと結婚して本当に幸せだった」といわれるよう、これからの残された短い人生努力していくつもりです。そして戦争の悲惨さ、平和の尊さを、若い世代、後世に伝え続けます。 ---------------- 【打てば響く】これから、何度も繰り返していう なだいなだ 2009-6-1 八十歳の誕生日まであと八日に迫った。そこで過去を振り返り、未来を見ることにする。 ぼくは中学生のときに、生意気な生徒だった。誰にだって議論を吹っかけた。校長にも質問した。 校長は弁護士出身の細川という人だった。 「先生、数学では単位が同じものでなければ、足して総数を割っても平均にはならないと教えます。先生の給与の平均は、四十人の先生のもらっている給与を足して、四十で割れば給与の平均が出ますが、あるものの給与と別のものの体重とまた別のものの給与とを足して、先生の総数で割っても、平均にはなりません。 牛と豚とニワトリの数を足して、家畜の平均頭数を出すのは無意味です。それなのにどうして算数と国語と英語の点数を足して割って、平均点といえるのでしょう。そもそも数学的には足してはいけないものです。その平均点で生徒の順位をつけるというのは、ますますもってけしからぬことです。ぼくのいうことは、間違ってはいますか」 ぼくの中学では学年末、試験得点に基づいた学年全体の順位を、みなの見えるところに(いや、皆に見せるためにだ)張り出すのが習慣だった。 細川校長は、生意気な生徒の面会の要求を受け入れ、校長室で一対一で話を聞いてくれた点で、今になって考えると、立派な人だったと思う。少なくともその一点では。そしてぼくに答えた。「おまえは正しい」 これもなかなか勇気のある返事だったと思う。 「では、即刻、止めましょう。試験の後平均点を出すこと、それに基づいて順位を決めることを」 だが、校長は、それはできないといった。 「なぜでしょうか」「長い習慣だからだ」 「誤りに基づいた習慣は、陋習というものだと国語で習いました。陋習は改めるべきだと昔の人もいっています」 「世の中の学校全体がやっていることを、うちだけ止めることはできない」 「やりましょう。やったら、世の中の陋習を破った日本最初の中学という名誉は、わが中学のものとなります」 だが、それはできない、と校長ははっきりいった。 「おまえはまだ世の中を知らん。世の中の間違いを直すのは、お前の考えている以上にむずかしいことだ」 ぼくは、その辺で引き下がった。なぜだかよく思い出せない。このことは「クレージードクターの回想」という本の中に書いた。今書いたのと正確に同じ言葉によってではないが。いわばヴァージョン違いといっていい。 世の中の間違いを変えることが、校長のいったようにむずかしいことは、これまで生きてきてよく分かった。 だが、今、思う。これは変えねばならぬ。死ぬまでに、この世の中の誤りだけは正したい。センター試験などによって、無意味な順位がつけられ、そのトップがエリートとして世の中を支配する国では、本来多様である人間の価値が認められなくなっても当然である。 最低でも、ぼくは文部大臣に、平均点で順位をつけることの数学的正統性の有無の討論をして、返事をもらいたい。 これからの日々をそれに賭けよう。しつこく、何度も迫っていくつもりだ。だれか、ぼくに手を貸してくれないか。 今の大臣など、阿呆の集りではないかと思うが、一人、東大の一番むずかしいといわれる学部を、主席(一番)で卒業した大臣がいるそうだ。その大臣に、答えてもらってもいい。 ========================================================================= ★メルマガは週刊で現在1000通を発行し、お知らせ掲示板にも掲載しています。 行区切り等を整理することがあります。 ★ご感想・ご意見は、news@6410.saloon.jp へ。 ★新規配信・アドレス変更などについてのご連絡は、「メルマガ登録」からお願いします。 http://6410.saloon.jp/modules/formmail/index.php?id_form=2 |