老人党メルマガ(360)

4:老人党メルマガ(362)
北極星 02/06 07:14
   roujintou-news  ::: 老人党メルマガ(362) ::: 2011/2/6
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【13405】Re:格付け会社に格付けできない基準 かっくるなかしま
【13425】Re:社会保障目的の消費税値上げ...基本的に賛成 usagi65
【13474】Re:かえるさんの独白:民主党の政権公約    団塊党
【13437】リバース・モーゲージ 住宅担保年金      珠
【13397】オフライン支部便り:須藤正剛さま (1月20日)  笹井明子
【13413】TPP参加と共通番号制度             pierre
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【13405】Re:格付け会社に格付けできない基準 かっくるなかしま 2011-1-31 10:31 (編集)
 ▼タミゾールさん:おはようございます 横レスにて失礼します。

>それにしても、膨大な財政赤字、貿易赤字のアメリカ国債がなぜ最高ランクなの???
>だめな、日本や中国にたくさん国債買ってもらっているくせに。

当たり前かもしれませんが、米国は、「基軸通貨国」ですから、特別な地位にある(唯一の超大国で、その他の国は、せいぜい地域大国=ドイツ、英国、フランス、日本、中国)というのが、大きいでしょう。

それから、巨額の負債(対外債務)を持つと同時に、巨額の資産(対外債権)を持っていて、
借金大国ながら、「資本収支」(=支払いと受け取りの合計、正味の利息ですね)は黒字です。
この国が、どういう国かと言えば、「世界の銀行」という喩えが、適切ではないかと思います。

銀行は、預金者から借金しますよね。銀行は全て借金だらけです。
でも、銀行は借金が多いからといって潰れるわけではないし、格付けが低いわけでもない。
おカネを集めて、(借金して)、それをどこかに貸す、(再投資して)、その差(スプレッド)で稼ぐ、そういう構造なので、巨額の対外債務を持つということが、一概にダメ、とはならない。

同時に、銀行は、決済の機能を担っていますが、同様に、多くの貿易がドルで決済されているわけで、基軸通貨国であることが、米国が世界の銀行であるということを成り立ちせしめています。
あの国の「凄い」ところは、←良し悪し、好き嫌いではなく、認めるべきところ
制度や仕組み、システム、ルールというものを新規に創造し、己の弱点を己の長所に転じてしまうところです。

それを弥縫策、窮余の延命措置、と言うことも可能ですが、今回も量的緩和の第2弾という新手の金融政策を創造してきました。あの国は、歴史を創造してくる、そういう国(超国家)だということです。(良し悪しは別。成功しているうちは肯定されるのが常であり、客観的な歴史的評価は未だ定まっていないと思いますよ。)

>日本が米国債を売るのは自由である。こっちが潰れそうなのに、人様に貸す金はない

ここは微妙なところがありますよ。例えば、タミゾールさんが大量のドル資産を持っているとして、それをこちらに持ってきたいとしたとき、ドルのままじゃ使えませんから、ドルを売って円を買うことになる。

誰から、円を買うかと言えば、円を持っている人、例えば、私、となります。
私は、円をドルに換えて、何かをする(米国の資産を買う必要がある)から、じゃあ、交換しましょう、となるわけです。タミゾールさんは通貨を交換する相手をみつけなきゃ。

急いで売ろうとすると、相手である私はどう考えるかと言うと、例えば、じゃあ、交換してもいいけど、1ドル80 円じゃいやだ、40円だったらいいよ、と。(ドルの資産を購入したい私は、そういえば、必要なドルを、半分の円で手に入れられます)一挙に売れば、一挙に円高になるわけです。

>いかにこのアメリカの格付け会社が国策機関に近いかということを素人の私は思うのですね。誰か説明してほしい

国策機関ではないと思いますよ。米国という国家の枠組みを超えてしまっている、超国家、汎国家の機関ですよ。
それは開いた金融資本市場(特に近年の負債レバレッジで急拡大した市場)に随伴しているのであって、単に1国の国益のために何かをしているわけではない、そう見ています。

>こういうものに一喜一憂してしまうのは、こういう価値観に毒されてしまっているのだろう

タミゾールさんは、毒されていないと思いますよ。毒されている場合、何も考えず、無条件に所与のものとして、否定も肯定もせず、受け容れるだろうし、受け容れるという意識すら昇ってこないと思いますから。

>福祉国家に新自由主義の格付けをしても意味があまりないでしょう

ここは少し違うでしょう。例えば、スウェーデンは、地方分権していて、地方政府の財政は、税収だけでなく債券の発行で担われ、地方政府が起債していますが、かくのごとく、世界の投資家に、募集をかけます。
http://www.nomura.co.jp/retail/bond/newbond/pdf/kinv_dual_au201301.pdf
(野村證券、スウェーデン地方金融公社)← ちなみに、最高の格付けです

この場合、行政府(スウェーデンの地方政府)の意識としては、地方政府財政の運営コストを安くするためには、
安いコストのおカネを集めてくればよい、それが「地方政府の住民のためになる」、← ポイント。誰のために。

そういうことなのです。仕組み(オープンな金融資本市場)をどう使うか、いかにうまく使うか、なのであって、福祉国家概念とオープンな金融資本市場とは、必ずしも背反するものではありません。
むしろ、オープンな金融資本市場の行き過ぎが、オープンな金融資本市場自身を傷付け、損ねている、というのが、昨今の問題であり、矛盾でしょう。(新自由主義の自傷行為、とでも言ったらよいと思う)

>古館さんは、警鐘を鳴らしてましたが、まず、きみたち高額所得者は税率を上げるべきでしょう。それをなぜ言わない。庶民のふりするな

古館さんが高給を貰っているのは、タミゾールさんが、そうして番組を観てしまうからですよ。視聴率が下がれば、税率を上げるまでもなく、古館さんの所得は減るか、なくなるんです。市場原理として、そうなります(笑

>おれたちゃ、世界に冠たる高齢者国家なのだ。最先端の今までの経済主義では計り知れないところなのだ。
>ひれ伏せ。あほなエコノミストたちよ

ざっくり、思っていることを申し上げると、(委細省略)
前期的資本と、産業資本と、カジノ資本とがあって、近年の資本の歪みは、産業資本から派生したカジノ資本ですが、これは、産業資本の前期的資本への「先祖返り」とも看做せる。
カジノ資本の否定が産業資本の否定に向かうと、否定の否定で、前期的資本が復活、復権する可能性がある。

官僚による差配、官僚制のもとでの政官財トライアングルですよ。
高齢者国家では、当然、社会保障により財政規模が膨らみ、自ずと、官僚が差配する余地が増えますから。
憂慮すべきはそこだ、と見ています。(私見)では。
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【13425】Re:社会保障目的の消費税値上げ...基本的に賛成 usagi65 2011-2-2 22:01
 ▼かっくるなかしまさん:レス有難うございました

税を公平、公正に社会保障に使ってくれるという信頼がなければ難しいというお考え、理解できます。
私もまったく同意ですが・・・しかし年金、医療、介護、子育て(子供手当てには異論あり)は先延ばしできない問題です。現に娘は一応年金を納めていますが「私たちはいつからいくらもらえるんだろう?
ほんとうにもらえるのかしら?自分たち夫婦の老後の備えもあるので、子供は一人よ」と言っています。

社会保障改革は一与党だけではく野党も共にいい知恵を出しあってやってくれたらよいと思います。
議員、公務員改革ですが、知れば知るほど腹立たしいのではありますが、ここから出てくるお金は社会保障費200兆円(?)に比すれば微々たるものです。これをやれば消費税を上げなくてすむというものではありません。

余命が短くなって、せっかちになったのかもしれませんが、個人的には同時にやっていただければかっくるなかしまさんやタミゾールさんのためにも増税引き受けるつもりです(笑)お二人、まだお若いですものね。
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【13474】Re: かえるさんの独白:民主党の政権公約 団塊党 2011-2-5 20:19
 ▼usagi65さん: 横レス失礼します

>先日BSフジ プライムニュースで、2005年に少子化担当議員の水島広子さんが
>「2005年に私たちが作った子供手当ては1万円(食費&衣服費)だった。それと車の両輪で
>待機児童の解消があった」と・・・地に足が着いたマニフェストだったんですね〜
>「それが選挙前にいきなり子供手当の額がはねあがり、待機児童の解消が消えてしまった。
>驚いた!」と言っておられました。・・・私こそ驚きました。ガックリしました。

>これが以前にかっくるなかしまさんが子供手当てについて詳しく説明された真実なのですね。
>まじめに、地に足の着いたマニフェストを作った民主党議員がおられたのに、
>それを政権交代だけのために捻じ曲げてしまった人がいたということ、
                            
>そしてこの子供手当てが国民の支持を得られず、民主党の弱体化の大きな原因になっている
>ということを考えると、民主党は出直したほうがいいのではないかと思えてきました。
>民主党のなかをガラガラポンしたいです。もうそういう時期も逸しているのかもしれませんね。
>前向きの私も水島さんの話しを聞いてからむなしい気持ちの毎日です。

>これからインドネシアの若者と日本語で話をしにいきます。 元気をもらってきます・・・

usagi65さんのお気持ちはよく分かります。私もがっくりする時があります。
ただ私はマニュフェストを政策の細部や数字まで公約したものとはとらえない方が良いと思っています。
大事なことはその政党がどの方向を目指しているかではないでしょうか。
その到達目標を示したのがマニュフェストだというとらえ方で良いと思います。

子供を社会で育てようと言う方向は間違っていません。月額いくらとか、現物支給か現金支給かという方法は、財政状況により変わります。2万6千円と言う目算が狂ったのは事実ですが・・・
無駄削減が思ったほど出なかったことが痛いですね。そこは目をつむるしかありません。

私は政権を担える政党、つまり、民主党と自民党のどちらの政策を支持するかと言えば、どう考えても民主党です。共産党や社民党ほどではなくとも自民党より福祉に力を注ごうという方向性は見えます。
目算が多少狂っていますが、そこは現実的に修正しようとしていますし。
ヨーロッパ型の福祉社会に少しでも近付くなら大幅な消費税アップも受け入れます。子供世代のために。

野党は解散を要求していますが、どういうつもりなのでしょうか。特に自民党は過去の悪政の反省、総括もなしにもう政権復帰するつもりなのでしょうか。とんでもないことです。財政健全化法案などもっともらしいことを言っていますが、しがらみだらけの政党に無駄削減ができるとは思えません。 
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【13426】年金制度は声高に論ずる論題ではないのでは?  タミゾール 2011-2-2 22:56
 ▼Gokaiさん:こんばんは

年金制度改革についてのニュースを見た。公明党の議員が声高に叫んでいた。
公明党の支持母体の多くである自営業者の国民年金は一元化で困るのでしょうか。

>社会福祉へのお金は国債発行で賄えばどうですか?
>タミさん、いうようにそう簡単に、日本国債破綻しませんでしょ。

この部分は疑問だなあ。年金の基礎部分だけでも30兆円必要だって試算を聞いた。国債は建設国債であればインフラとなり、社会生活の向上や産業の基礎的な資産として意味があるとは思いますが。
年金の資金になちゃったら、まわりまわって税収増でペイできるということはないわけですよね。

だから、消費税でっていうのは安直でしょうが。
誰が考えても頭が痛く、深刻ですが、社会保障に関しての安定したシステムが構築されれば、希望につながろう。

こうした基本的な認識に立てば、どういう案であろうが声高に興奮する種類のものではないですよね。
年金の基礎部分は7万円前後だそうですが、これだけでは生活できないことは言うまでもなく、生活保護の額より低いわけです。

皆が生活保護と同額の年金を受給できるようになれば、少なくとも原理的に65歳以上の生活保護は消滅する。
富裕な高齢者はいっそのこと年金は0にしてしまったらどうだろうか。富裕なんだから。
でも、富裕でなくなれば、すくなくとも生活保護程度の年金は手に入るから安心である。
富裕な高齢者の消費を喚起もできよう。

20年として、年間240万円。4000万円以上の財産がある方は年金受給を0にして、1年ごとにその財産額を下げていく。不動産の資産も入れて。不動産以外に財産がなくなったときは、見合った額を国から支給し、亡くなったら国に不動産を返還する。口分田ではないが、不動産を個人が抱えているのがいけない。

4000万以下の財産の方は、スライドして少額の年金を受ける。
払った年金は無駄になるのでなく、いざという時の安心材料であろう。なんかできそうな気がするけど。
今の年金制度と変わりはないのかなあ。まったく、穴だらけのお笑いかもしれないですよね。
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【13437】リバース・モーゲージ 住宅担保年金   珠 2011-2-3 19:47
 ▼タミゾールさん:

>>妻によれば、不動産を担保に国から助成を受けることは、生活保護の世界では「リヴァース・モジュール」とか言うのだそうで、生活保護世帯がそこから脱却するために、ある程度の資産保有を認める手段なんだそうです。

 ▼H.KAWAIさん:

>○相変わらずタミゾールさんのお話には首を傾げさせられるんですよね。「不動産を担保に」だったら「お金を借りる」ってのが普通だと思うんですが、何故か「国から助成を受ける」なんですからね。

その制度はリバース・モーゲージ(reverse mortgage)といいます。住宅担保年金ともいって、所有する不動産を担保にして融資を受けることができます。そして死亡時にその不動産を売却して一括返済する仕組みなので、住み慣れた自宅を手放さずに住み続けながら、融資を受けることができるわけです。
http://www.reversemortgage.jp/2005/09/post_1.html

日本では、30年位前に武蔵野市が始めまして、そのときは新聞などでずいぶん話題になりました。
今も続いているし、世田谷、神戸、また、一部の銀行なども始めたようです。
http://www.city.musashino.lg.jp/cms/faq/00/00/96/00009699.html
お家を持っているけれど年金が少なくて、お子さんがいない、お子さんがもう住宅を取得していて必要がない、といった方々が利用なさることが多いようです。公的なものの他に、民間の銀行もしているようです。

ウィキにも出ていますね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%82%B8

住宅の価値分の年金を全て受け取って、まだ長生きしてしまうというリスクもあるようですね。
しかし、老後の過ごし方の1つとして、検討に値するのではないでしょうか。

生活保護家庭とおっしゃるのは、ご自身の住まいがある場合、生活保護ではなくて、この制度を選ぶことも出来るからでしょう。この前、もと資産家のご姉妹が60代前半で、お金が無くて餓死された記事が出ていましたが、プライドがあって福祉のお世話になれなかったのかな?とも思いました。
この制度をご存知でしたら、そんなことにもならなかったのかもしれません。

今の高齢者は、自分が80歳には亡くなるだろうという見当でいて、それ以上長生きしてしまうので、目出度いことではあるがとても大変。平均寿命+5歳くらい生きられる見当で考えておくといいのかも、なんて話を読んだこともあります。なかなかそううまくはいかないのが人生でしょうけれど。
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【13397】オフライン支部便り:須藤正剛さま (1月20日) 笹井明子 2011-1-30 17:53

「短命内閣がもたらすもの」

我が国が大東亜戦争に舵を切ったのは昭和16年(1941年)12月だが、その4、5年前から首相や閣僚が半年から年単位で変わっている。たとえば昭和11年は広田弘毅、同12年には林銑十郎、同14年には平沼騏一郎、阿部信行、そして昭和15年には米内光政、近衛文麿となり戦争が始められた昭和16年の首相は、陸軍大臣も務めた東条英機だった。(読める年表日本史・自由国民社刊)
 
軍部の暴走もあれば政治権力の争いや、大手企業の画策などもあったが、なによりも国力や人材面で、諸外国から背骨の定まらない軽い国と見られていたのではないか。戦争末期の本土決戦想定で、原子爆弾に手作りの竹槍で対抗しようと、女性や子供まで訓練に狩り出したのは、政治が機能不全に陥っていたからだとしか考えられない。
これは何百年も前の話ではない。今から僅か67、8年前のできごとである。政治家は歴史の現実に学ぶべきである。
 
第三次菅改造内閣が動き出した。ほとんどが横滑り人事で固められ、与謝野肇経済財政大臣が異色だったくらいで、脱小沢路線堅持と報道されている。世論調査の支持率も7ポイントほど上昇、しかし自民党支持率よりはなぜか低い。
 
アメリカを例にすると、大統領が代わると政策が一変する。日本の総理大臣が次々に代わっても、省庁の役人は代わらず、日本という国の方針も変化しないのとは対照的である。(池上彰・そうあったのかアメリカ・集英社刊)
日本らしさかもしれないが、小さく纏まりすぎてしまって、小沢元代表の政治とカネや身内の抗争で井戸の中の蛙状態の印象をうける。政治主導もいつの間にか消えている。

だから大臣の人選には国民が注目しないのかもしれない。民主党大会の混乱もおきていた。
そして消費税10%アップ、医療保険料、患者の窓口負担増というような重い話は踊るが、議員定数削減や議員歳費削減の話はどこへ行ったのか、こども手当はなぜ現金給付で落ち着いたのか。
 
最近菅直人総理が、東京都内で開催の民間団体の会合で、外交について演説。尊農開国推進と環太平洋連携協定に、国家としての命運を賭けることを訴えたと報道されている。農業団体の反対デモがあったばかりだが、政策の内容や方向性を公にすることは、関心が持たれた。ただし、日本は少子高齢化の国。

さまざまな事情を踏まえて、農家や漁民の生き甲斐を増すような施策であってほしい。近未来において食糧難時代が来るという意見もある。国民を餓死させないでもらいたい。
 
次に、中国の発展は、一衣帯水で喜ばしいかぎりだが、航空母艦建造や富裕層の我が国での買物が目につく。カネの豊富さは認識するが、観光地の広大な水源地や、自衛隊基地の付近の土地だったり、将来性を見越した巨額な投資であったり、不動産、企業買収もさかんだ。

日本企業の中国での経営状態は詳しく知らないが、国土が赤い点だらけになるのは、規制する法律がないからではないか。治にいて乱を忘れず、乱にいて治を忘れず、である。
冒頭で書いた大東亜戦争時代の総理大臣の任期は、当時の政界がいかに混沌としていたか物語っている。

そしてその混乱の舵取りが、大国を相手にする4年の無謀な消耗戦へと駆り立てる引き金になった。政治の混乱は国民生活に大きな影響を与える。この新年以降、滑り出しは好調のようにも見えた与党のリーダーシップは失速して、外交面でもどこか精彩がない。短命内閣とならないように、国家としての基本姿勢を演説したことは、せめてもの救いだったと言うべきだろうか。
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【13413】TPP参加と共通番号制度   pierre 2011-1-31 22:11

現在、果たすべき政治課題は多々あるが、その中でとくに緊急性が高いのは、TPPへの参加と共通番号制度の実施である。何故か。

まず、TPPへの参加であるが、日本が通商国家としてこれからも生き残っていくためには、世界の主要国と自由な貿易、資本取引、人の交流などが確保されなければならない。この途を確保する近道はTPPへの参加が、もっとも手っ取り早い。TPPに参加したら、日本の農業は壊滅的打撃を受けると言うが、農業の問題はTPP参加と二者択一では決してない。

戦後の日本政治の最大の罪は、農業をかくもか弱い産業に追いやったことである。
TPPに参加し、農業を開かれた日本に相応しいものに再生することは、まさに戦後政治の総決算と言うべきである。
共通番号制度のねらいは、第1に、税務当局によって国民1人1人の所得を総合的に把握しやすいようにすること、第2に、適正な社会保障給付の実現である。第3に、このIT時代に相応しい効率の高い行政を展望することである。

日本国債の格下げが話題になっているが、今や、この財政危機をどうするか、まさに喫緊の課題である。消費税の増税は、好ましくはないが、避けて通れない。その際の低所得者対策としてもこの共通番号制が生きてくるであろう。

新聞によると、今秋の臨時国会で関連法案が成立したとしても、低所得者対策を前提にした消費増税は2016年度以降になるという(『nikkei.com』11.01.26.) から、残された時間は、TPP と同様に決して多くはないのである。
勿論、税金の無駄遣いを放置していいはずはない。

しかし、それと消費税の議論は段階的ではなく、同時並行しなければなるまい。
それに加えて忘れてはならないのは、税制は納税者にとって公平なものでなければならないと言うことである。これは税金無駄遣い根絶と同等に重要である。共通番号制度がこの問題にメスを入れる手段として力を発揮するだろう。

この2つの政治課題が実現したら、日本は一層開かれた国として、世界に羽ばたくであろうし、国内的には共通番号制度に実施によって、日本社会は一層公正な社会へ前進するであろう。

しかしながら、今月24日に開会された国会は、まったく不毛の与野党攻防を続けるのみで、真っ当な国家の意思決定能力を欠いている。この状況には、勿論、菅首相を初めとする与党の責任は重大であるが、野党も政府与党の失点を探すばかりであり、双方共に、国政を負託するに値しない。まさに憂うべき状況と言わざるを得ない。

今や、上記の2つの政治課題について残された時間は少ない。国会の現状を考えると、どれも時間切れに終わってしまう危険すら感じさせる。統一地方選挙のあとは遠からず総選挙になるのではないか。

その場合、上記の2つを喫緊の政治課題に掲げて、1つの政治勢力が結集されないだろうか。それは、まことに時宜にかなう行動となって、有権者の多くの支持を集めるのではないか、と秘かに考えているところである。
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