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3 【14219】老人党メルマガ(372)
北極星   運営スタッフ 2011-4-13 6:37:39  [返信] [編集]

       roujintou-news  ::: 老人党メルマガ(372) ::: 2011/4/13
            老人党掲示板 ttp://6410.saloon.jp/
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    【14184】功利主義的に保障の問題を考える タミゾール
    【14186】Re:政治的観念論という愚論...  かっくるなかしま
    【14209】Re:「政治的観念論という愚論」こそが今求められている 中井豪
    【14216】Re:政治的観念論という愚論...  peace
    【14191】原発を止めたい理由   珠
    【14192】Re:続・かえるさんの寝言:原発は要らないが  H.KAWAI
    【14203】学問の危機  usagi65
    =========================================================================
    【14184】功利主義的に保障の問題を考える タミゾール 2011-4-10 7:58
     ▼usagiさん:おはようございます、横から失礼します。

    責任問題は大切ですね。謝罪やサンクション、罰則など、はっきりさせるべきものはあるでしょう。
    今がその時期かどうかは議論が分かれるでしょうね。

    それとは別に、保障問題は残ります。妻が『無知の涙』を読みまして、感銘を受けた。
    しかし、彼は死刑執行されました。真剣に反省し、自省し、出版まででき、印税が入りますので、その印税を基金に犯罪被害者家族のために使えば多少の贖罪の意味もあります。さらに、優れた作品を残せば長期的にも助けられた。

    話は大きくなって、日本の戦争責任のとり方は曖昧であったとは思いますが、戦後経済復興したことで、さまざまな形での補償や援助が可能になってきた。もし、戦後復興しなければそれもかなわなかった。
    チッソは長期にわたって利益を出し続けることで、水俣病の被害者に賠償をし続けることができているかもしれない。

    JR西日本やJALなどの大きな交通被害を経験した企業もその後の利益の配分を被害者・その家族にわけられる。
    賠償金を稼ぐためにさらなる危険を冒して事故を起こしたりしては話にならないですし、倒産してもらてってはいけませんね。

    以上、功利主義的に保障問題を考えてみました。こんな風に考えることそのものが不謹慎で、正義の論理に反するのかもしれませんね。また、時期的にもふさわしくないかも。

    いずれにしても、バッシングでたたきつぶすだけでなく、失敗をリカバリーする手法を開発しないと。
    やたら、ターゲットを作って批判しつくす昨今の風潮は危険だと考えてますので。
    今は、まだ考えなくてもいことばかりかもしれませんでした。あしからず。
    -----------------
    【14186】Re:政治的観念論という愚論...  かっくるなかしま 2011-4-10 9:38 (編集)
     ▼usagi65 さん:こんにちは

    >落ち着いてください!こんな事態になり、危機感のある人ほどいてもたってもいられなくなる・・・・よくわかります。

    私は、終始、落ち着いておりますが。原子力発電は不要、(Gokaiさんの親スレ)に対し、
    使わなくても済むためには、ということで、一般家庭での冷房の節電、火力発電の大増強、オンサイト発電の設置、ガス冷房への切り替え、地熱発電での補完、といった必要条件の一部につき、申し述べているつもりです。

    東電の責任追及、というのは、親スレの趣旨からは、むしろ、外れている。
    しかも、人災の上に人災を重ねる類の愚論も散見される。

    >私は先の戦争責任さえもはっきりさせることが出来なかった日本人ですから心配しているのです。またうやむやにされてしまうのではないかと・・・

    戦争責任が出てくるのはさっぱり分かりませんが、私は、Gokaiさんのこうした意見(↓)に全く賛成です。

    >>国の管理は料金だけではなく、運転のための指針もあった。東電はそれをクリアしていたはずですね。だから政府の責任です。
    >>事故に対する保障賠償は東電のために行うことでなく、日本国民と日本の将来の人々のためになります。
    >>日本国民のためにはどうすれば最良なのかと、東電の責任追及とは別に考える必要あります。

    >保障はどういう形が一番いいのか、私にはわかりません。しかし、原発による人的被害、農業被害、漁業被害などは原発事故の原因を究明しなければ一番責任を負わねばならないところがわかりません。

    原因の究明と責任の所在の明確化は、当然、行うべきことですが、優先されるべきは、復旧と収束と補償。
    (原因の究明は、年単位での時間を要しますよ。責任の所在も同様。通常の裁判を見れば時間を要することは明らかでしょう。)

    >原発の近くの人の避難には多額のお金が必要で、お金の無い人は仕事もないのに避難することが出来ません。
    >避難費用ぐらい東電は出せないのでしょうか。

    時間との戦いは、現在進行形でなおも続いている。終わっていない。
    政府・自治体・東電・民間がそれぞれの持ち場でベストを尽くすしかないでしょう。
    屋内避難地域を避難地域に指定変更すれば、避難費用は国の負担となる。
    費用負担を誰がどう負担するかは、事後、落ち着いてからの調整で十分。おカネに色はありません。

    >それから、原子力反対の立場の研究者の小出さんは、今まで福島県から送られた電気を使ってきた都会の人は福島県の野菜、魚を子供以外は食べてあげないと農家や漁業に携わる人がかわいそうだと言っておられました。
    >原発を認めるのであれば国民もそれぐらいの覚悟をしないといけないとも。頭を殴られたような感じがしました。

    その小出さんは、科学者とは思えない。科学者であるなら、正しい見解は、「危険なら食べない、安全なら食べる」、それだけです。私は茨城県北の出身だが、茨城、福島と県が分かれていても、福島県の浜通り、仲通りは、文化圏的には方言を含め近しい。

    常磐線は、常陸-磐木、水郡線は、水戸-郡山。県は違えど、地元といってもよい。
    茨城県北には、日本原子力発電の東海原発もある。他人事ではありえないでしょう。
    福島とその他とを、あたかも最初から違うものとして切り分けようとする、その小出さんの発想は全く理解しかねる。

    電気に色はありません。原発というのは、ベース電源です。
    日中、季節の需要変動には、可変性能に優れた火力出力で調整する。ベース電源は、誰もが使っています。
    反原発派であろうと、反原発と言いながら、原発の電力を今だって使っています。
    使っていながら反原発とは片腹痛い、気は確かかとは言いません。

    原発を認めるなら危険なものでも食てみべよ(それが嫌なら原発を認めるな)という類の話は、電気が止まるのが嫌なら原発を認めよ、というのと同様、政治的観念論という愚論だということ。
    科学者であるなら、正しい見解は、「危険なら食べない、安全なら食べる」、それだけです。
    -----------------
    【14209】Re:「政治的観念論という愚論」こそが今求められている 中井豪  2011-4-11 22:50

    「貧しいものはいつも弱い。弱い者は昔から悲しいのだ。いじめるがいい、圧しつけるがいい、しかししかし、言うべきでもないかも知れぬが、圧しつければ圧しつける程固くなる」。
    農民詩人加藤吉治たちが戦時下で、特高と警察と山形の農村の青年たちが何故戦いえたのか。
    「自分の方が貧しくても人間らしく生きるべく正義の側にいた」という自負があったからである。

    私たちは今「正義の側」がどちらなのか、どちらの側に与するのか、一人ひとりに問われている。たとえ、「政治的観念論の愚論」と揶揄されようとも、「ど素人」の身体を張った言動、否、愚論こそが問われている。愚論の中にこそ民意は真実は潜む。

    あらゆる権力で武装して襲いかかる原発基地であっても、一人ひとりの国民が身体を張って徹底的に戦えば阻止できるのだ。今や、「普天間基地問題」も吹っ飛んでしまっているが、そうした意味合いで、今こそ、辺野古で闘う人々に学ばなければなるまい。本質は、暮らしの中で手の届く温もりの範囲の「自治」の尊さに目覚めることである。本土の民は原発の放射能の恐怖に直面してはじめて沖縄の恐怖と共有するのか。今や、本土の方がはるかに深刻なのだ。

    「熊取6人組」の一人である小出裕章さんは「人間は必ず間違いを犯し機械は必ず壊れる。原子力を研究すればするほど、こんなものを作ってはならない。その危険性を知っているから原発反対の主張を続けるしかない」そう言いつつも、「政治家は全く信用できません。政治家の前で話す気も起きません」と。
    研究者としては限りなく不遇の立場に貶められている。政治の弾圧であろう。

    それでも、小出さんは夏の間でもクーラーもつけず、電灯もつけない。
    そんな研究生活を当たり前のように続けている。こういう真っ正直な研究者の批判を封じて原発推進は為され続けてきた。一般庶民には、こうした研究者の主張を知ることもできなかった。
    金に溺れた御用学者と科学者の正義を貫く小出さん達、「正義の側」の軍配は明らかだ。

    すべては、金、金、金、そして問答無用の権力闘争だ。権力闘争に流れる思想は「棄民と差別」である。憲法で保障された基本的人権に対する庶民の本能的な皮膚感覚も、金で買収されたも同然の御用学者と政治家と広告と新聞・テレビのメディアが巧みな官僚の言葉が襲いかかり、洗脳し尽くし、鈍磨させる。挙句に、イエスかノーかの二択を迫られ、狭い田舎の善良なる民は分断され憎しみ合い、疲弊していく。

    とりあえず、「今日、明日、明後日生きていかれればいいや」と、追いやられる。考える心棒が抜き取られていく。
    そうやって原発は日本の過疎の町に作られていった。今の私たちに何か有効な対抗策があるだろうか。金・権力・情報・知識いずれも勝てない。唯一つだけある。原発推進派と人間の品性、品格、優しさの慈悲の思想哲学で競えばいいのだ。自然と共生し公正な社会の在り方を激しく希求している人間がどちらかを思想的に闘い抜けばいいのだ。

    それしか策はない。その背後に「熊取6人組」の小出さんたちに支援してもらえばいい。回りくどくなった。原発など要らない。即刻、廃止宣言しその手続きに入ればいい。世界に陳謝し自然と調和する平和国家宣言すればいい。
    電力は十分すぎるほどある。何一つ心配はない。原発を推進した知識人・政治家・財界人の責任追及は当然為されなければならない。

    そうした観点から鑑みると、民主党の「国民の生活が一番」とは、革命の思想であることが理解できる。革命家小沢一郎の政治哲学の凄みを映し出している。暮らしとは命の大切さである。小沢一郎が、「原発は廃止する」その宣言をして新政権を樹立して復興・復活を成し遂げる。それ以外にこの国の策はない。未来への期待は他にはない。

    究極の後出しジャンケン爺の卑劣者が当確の途端偉そうに吠える。都政を知らない、都庁に出勤も少ない。都の幹部におんぶにだっこの原発推進男の卑劣な傍若無人野郎を都民は選んでしまった。都民の地方に対する侮蔑と差別意識は病的だ。こんな爺に16年も託す都民の精神性は病んでいるという他ない。本当に病んでいる。驕っているのだ。

    米国が実験的に投下したヒロシマ・ナガサキの原子爆弾の「犯罪」を問うこともなく、自らの「戦争責任」も問うことなく、焼跡の廃墟から戦後は始まった。人間としての根源の責任を問うことはすべて後回し、他人任せでひたすら食うことを追い求め続けた。今に至るまで、植民地国家であることの自覚すらなかった。

    原発の東電の背景にある人物像を探れば、この国の支配層の図式は明瞭になろう。原発と核武装、原発と日米安保、それらが無関係ということもありえないはずた。
    すべては、金と棄民と差別の思想をゆうする者たちの人類の敵の断末魔である。
    福島原発の鎮静化を祈りつつ、被災者の人たちに、「自分は自分の場所で自分の方法でがんばります」と呟きつつ。
    -----------------
    【14216】Re:政治的観念論という愚論...   peace 2011-4-12 21:54
     自己レスです。

    みなさん、しつこいようですが、もう一度言います。今回の地震・津波・計画停電そして反原発運動と福島第一発電所の原発事故は全く別の事象として考えなくてはいけません。同列に議論してはいけません。
    津波により東電の火力発電、原発がストップし電力が不足し計画停電やむなしとしても、そこまでは百歩譲って自然災害の範疇としても。原発事故は明らかに別の人災です。

    私は自然災害に対しては私たち国民全体が当事者であり全面的に支援し救助復興に向け一致団結すべきだと思います。
    しかし、一方 原発事故に関しては私たち別の地方に住む者は当事者ではありません。
    一義的な当事者は東電と福島県で被災された方々、そして、東電管内の方々です。

    ふるさとを追われた方々や、もう、放射性物質を体内に取り込んでしまったであろう方々に比べ、この後に私たちに回ってくるであろうこの事故のツケなどはそれほど大きくはないでしょう。
    文科省は東電がまき散らした放射性物質をなかった事にしようとしています。
    それも、子供に対して年間被曝許容量を現在の20倍にあげようとしているのです。

    いくら東電が官僚の天下り先だと言っても今回の官僚の無能さや自己保身にはつくづく嫌気がさします。
    土壌汚染「チェルノブイリ強制移住」以上 京大助教試算
    http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068

    ニュースの深層4/5(火)「東京電力会見は信用できるのか」
    http://www.youtube.com/watch?v=shSO-Q-0O_c
    http://www.youtube.com/watch?v=1HHraEWAMSw&feature=related
    http://www.youtube.com/watch?v=504V2RKfRUs&feature=related
    http://www.youtube.com/watch?v=LaKZB5USFy4&feature=related

    フリー記者、東電を徹底追及!大手マスゴミ沈黙・・・ 
    http://www.youtube.com/watch?v=5_0o8EDx4zM
    計画停電の会見
    http://www.youtube.com/watch?v=hmB79MNfKhQ

    役員も出席しての計画停電の会場の立派さに比べて原発事故の会場はどうみえますか?
    マスコミ記者のやる気のなさが見て取れます。まるっきり他人事。
    これが、日本のマスコミの現実です。計画停電は原発事故から目を背けさせるためのプロパガンダと見られてもしょうがない。(私はそう思っていますが)

    ちなみにGogaiさん。管総理の東電に対する怒りの真相がここで語られています。
    http://www.youtube.com/watch?v=Lk6CREZB-XE&feature=related
    リンクばかりですみません、情報量が多すぎて。これしか方法が見当たりませんでした。
    -----------------
    【14191】原発を止めたい理由   珠 2011-4-10 14:25(編集)
     ▼usagi65さん:

    >原発というのは、ただ止めるだけで廃炉にすることはなかなかというか、ほとんど出来ないようですね。
    >止めるだけでも危険は防げるのですか?
    >止まっていたら地震や津波被害に事故を起こさないというものでもないようですが。

    そうです。冷えるまでにも時間がかかりますし、使用済み核燃料は長年、放射性物質を出し続けます。
    それでも原発を止めれば、稼働中の原発に、地震による破損で冷却水が回らなくなって、暴走することは防げるでしょう。ただし、使用済み核燃料プールへの冷却水の問題はもちろん残ります。

    それから私が原発をなくしたいと思うのは、1つはもちろん今回のような地震や津波による事故の危険性もありますが、もう一つは、使用済み核燃料からは、猛毒のプルトニウムなどの放射性物質が長年に亘って出続けるという問題があるからです。六ヶ所村が置き場&再処理施設になっていますが、活断層があるそうです…。

    しかし原発の停止をすれば、少なくともいま以上に、使用済み核燃料が増え続けることだけはなくなります。
    これ以上、後始末のできない原発で、次世代へのツケは増やしたくない。

    原発をなくせば火力発電増設でCO2の問題や石油石炭の争奪が起きるという指摘もありますが、現存の水力・火力に加えて代替発電の開発と、火力の増設ではなく、節電した生活スタイルを確立し、電力をできるだけ産業に回すように考えていくしかないと思います。
    -----------------
    【14192】Re:続・かえるさんの寝言:原発は要らないが   H.KAWAI 2011-4-10 17:54

    ○原発はどうしようもないものだから、あんなものは作るなという人がいるが、その意見には説得力がある。
    反対に原発は有用なものだから、どんどん作ろうという人もいるが、その意見には賛成できない。
    何しろ安全性そっちのけで、目先の利益を追求する人々の意見だから。

    ○そして、それは今回の福島原発の事故で見事に実証された格好だ。なお今回の原発事故は津波に対する備えが十分になされておれば、未然に防げたとも言えるから、原発そのものの「罪」ではないかも知れないが、それでも原発推進派に任せておくと何が起こるか分らないということだけは十分に証明されたと言える。

    ○ところで、今回福島原発を襲った津波について、想定外ということがよく言われるが、これで混乱する人がいるかも知れないので、はっきりさせておきたい。

    ○「想定の倍の10メートルを超える津波が襲った」は「だから仕方がなかった」と言いたいように聞こえるが、
    5メートルという想定をしたことが妥当ではなかったことが証明されただけであって、「仕方がなかった」ということにはならない。

    ○百歩譲って原発そのものは安全に運転できるとしても、放射性廃棄物の処理が未解決の問題として残されており、実験炉ならいざ知らず、実用炉の建設を推進することは、将来に途方も無いツケを回す可能性があるので、やはり賛成できない。

    ○そんな訳で原発には反対と言う他ないのだが、大方の人は電気が使えないのでは困ると言うだろう。もちろん火力発電で置き換える手はあるが、そこにも地球温暖化問題が待ち構えている。エネルギー源の切り替えがスムーズに行えるのであれば、そう悩むことはない。早急に原発廃止に舵を切ればよい訳だ。しかし、ことは簡単ではないだろう。

    ○そうすると、原発廃止は少々不便を伴うことになる。私は原発要らない派に与してもよいが、皆さんはどうだろう。
    何しろ原発は要らないと言いながら頑固な原発推進派の頭目に熱い視線を送る人もいる支離滅裂振りなのだから。
    消費税増税を説く人と減税を説く人を同時に支持する人もいる支離滅裂振りなのだから。

    ○私は、エアコン無しでも何でもいい。電力料金が倍になったら、電灯は点けないようにするし、冷蔵庫は使わないようにするし、御飯は鍋で炊くようにする。私は昭和レトロ人間だからそれでもよいが、でも、結局ダメなんだろうな。
    今晩、東京では石頭が当選か。まさか鳥頭ってことはないだろうな。いずれにしてもこの国は救われそうもない。
    -----------------
    【14203】学問の危機  usagi65 2011-4-11 10:36

    武田邦彦先生の今日の発言です
    学者と政府がこのようにズブズブの関係だったとは、学者からの発言ですからほんとにリアルで驚きです。
    先生はいつも転載自由ということですから、すべて貼り付けます。

    原発 憲法23条違反が多くの人を危険にする学問の危機である。
    そして「学問」が直接、国民の健康を脅かそうとしている。
    福島の教職員が子供を守るために立ち上がることができず、教育委員会が「国が安全と言っているから」という一点張りの考えに押され、児童生徒を初期被曝から守れなかったように、学者も学問の危機に立ち上がれない。

    「御用学者」という言葉が人目をはばからず語られるようになっても、学者は沈黙を守っている.
    1990年の始め、「役に立つ研究」、「研究費の重点配分」になってから、学者は「すこしでも政府にたてつけば、来年から研究費がなくなる」という恐怖に身がすくんでいる。

    その意味では、日本の学者の大半が「御用学者」にならざるを得ないのが現状で、学問の危機を目にしても行動ができない。児童生徒を守ることができなかった福島県の先生方と、多くの学者は同じなのかも知れない。
    ・・・
    でも、何が学問の危機なのか?それは、憲法が定める「学問の自由」が公的に犯され、「憲法違反した学者(日本気象学会長)が逮捕されない」という事実が発生したからだ。

    3月末、日本気象学会の学会長が、学会員に対して「研究結果を自由に発表してはいけない」と呼びかけた。
    憲法第23条は「学問の自由」を明確に示している.そして、日本学術会議が認めた正式な学会は、学問の自由のもとで活動をしている。学会が「年会」や「研究会」を開くときに、政府の許可を必要としないのは、学会が政府から独立しているからである。

    学問に自由を与えることは時の政府にとっては都合が悪い場合がある.でも、近代社会はいくつかの経験を積み重ね、社会の健全な発展には学問の自由(テーマの選択、研究の実施、そして成果の発表について、不利益を被らない)を認めるようになったのである。

    そして、学問の自由は「国家の危機」の時に、その必要性が増大する。例えば戦争の前、大災害の時などである。
    ドイツのナチス、ヒットラーのソ連・・・大虐殺が起こるような異常な社会では学問の自由が侵される.
    ・・・
    気象学会長は「気象学は当てにならない学問だ」という。
    福島原発からの放射性物質がどの方向に飛ぶかを学問的に研究し、その成果を発表すると「人心を惑わす」ので、気象学会は「政府が一元的に発表するデータ以外の発表は好ましくない」とした。

    気象の部門でも、学会は政府より力がないと言う。
    一方、政府は巨費をかけて作った「重大事故時の放射性物質の飛散予測システム」である、SPEEDIを持っているが、結果は一度、発表しただけで、まったく公表されない。

    このことについて二つの話を聞いた。
    一つは「放射性物質の飛散については、政府高官が知るべき事であり、国民に知らせる目的ではない」という学会筋の話であり、二つは「SPEEDIのデータを国民に知らせる必要は無い」というSPEEDI研究者の話である。
    ・・・
    さらに気象庁は、政府に命令されて渋々、IAEAに報告していた福島原発からの気流の動きについて、そのホームページに掲載したが、そこに注釈がついている。

    こともあろうに、気象庁は次のように言う.
    1)このデータはIAEAに出すものであって、日本国民に知らせるものではない、
    2)このデータは「予測にもとづいて計算したものであり、実際の観測地が入っていないから(予報だから)、本来は発表するべきものではない、
    3)放射性物質の拡散はSPEEDI の役割であり、そっちに聞いてくれ。

    「気流の動き」という意味では気象庁は、花粉予想とか噴煙予想をする。
    また「未来の予想」では、天気予報、台風進路予報、それに100年後の温暖化予報もする。
    それなのに、予報だからという理由で「放射性物質飛散予報」をしない。
    ・・・
    私は学者なので、学問の自由を享受している.何を言っても大学を首になることはない。中部大学は明るく、学問の自由を守ってくれる。だから、私はその恩返しに、社会に私の専門で判ることをそのまま発信している。
    そんな私にとってはこの1ヶ月でもっとも衝撃的だったのは、気象学会長のコメントだ.絶望で目の前が暗くなった。学問の自由がないのなら学問はしたくない。

    それに加えて税金をもらっている気象庁が、もっとも大切な時期に福島原発からの放射性物質の飛散予想をしなかったこと、それをドイツ気象センターから供給を受けたことに、やりきれない思いをした。
    (平成23年4月10日 午後5時 執筆)武田邦彦
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