打てば響く 
過去記事(2004年3,4月)

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4月27日  「イギリスの天木さんたち」

 イギリスでは50人の外交官たちが、議会への公開の手紙を送って、大きな話 題になっている。ブレアー首相はもう少しブッシュ大統領に影響力を用いることが 出来るのではないか。イギリスは超大国ではない。中近東のアラブ勢力をちゃん と納得させることが出来なければ、このままでは中近東での英国のスタンディング は失われかねない。かれらは、そう憂えて、議会で討論して欲しいと訴えた。イギ リスには50人もの天木さんがいたというわけだ。日本のメディアはいつこの問題 を取り上げるだろう。

「年金加入実績の公開」

 三大臣の年金加入実績の暴露は、この内閣に年金改革を提案する権利がある のか、という疑問を起こさせる。このニュースを耳にしたとき、国民の頭に直ぐ浮 かぶのは、かれら三人だけか?という疑問だ。ぼくの頭にも浮かんだ。民主党は 他の閣僚についても、情報を公開せよと迫っているが、自分たちの中にも、この 大臣と同じように未払いの議員がいることから、自民党にも当然いると踏んだの だろう。それに対して、記者団から質問を受けて、官房長官は「これは個人情報 でしょう」と言い訳をしていた。だから公開しないというのだ。しかし、公開を拒絶す れば、ますます疑われる。それに渋々公開する羽目になり、当の官房長官が未 納だった(まさかそういうことはないと思うけど)りしたら、世論はどう反応するだろ う。まあ、簡単にはおさまらないだろう。わが老人党の面々も、きっと怒るだろうと 思う。
 若い世代の未払いが、最近の若者のエゴのせいであるような批判的発言をして いた政治家たちが、どれだけ未払いだったかが分かったら、これほど面白いこと はない。傑作漫画以上だ。若者たちだって、政治へ関心を向けなおすのではない かと思う。
 政治というのは、えてして、こうした小さなことから、大きな動きに発展するもの だ。大臣だけではなく、全議員に年金加入の実績を報告してもらおう。



4月21日  「雑感」

 この間、東大の駒場の学生と話しましたが、エリートと呼ばれることに抵抗を感 じているようでした。精神科医としていわせてもらえば、東大入学そのものが目的 化していて、達成後の目標を見失っているせいです。エリートであることを意識す べきです。そして責任を感じればいいでしょう。もっと大風呂敷を広げて、東大合 格は、そこに進む第1歩ぐらいの気持ちでいれば、さあー次は、と休むことなく前 進できるのに、と思います。エリートと見なされることは恥じることではなく、みなか ら自分に託されたものを背中に感じて生きていくべきです。選別方法に疑問を感 じるなら、合格したものが言い出してこそ意味があります。それを今後の目標とし てもいいでしょう。
 それから老人のぼくに比べて、「世の中変わりやしないや」と悲観的で、若いの に、ぼくたち以上に老人的で、元気のないところが気になりました。自分の孫のよ うな人たちに、元気を出させるのも、老人党の仕事のような気がしてきました。

 若い人からのメールを紹介します。何とかしなければ、という気持ちが感じられ ます。直接きたメールですが、これから、掲示板の中で、しばらく集中して議論し たいテーマがあれば、それを取り上げていくことにしたいと思っています。

 《なださん始めまして。 私は今司法試験を目指し浪人中の者です。母がなださ んのファンで,子供のころからなださんの本をよく読んでいました。それでずいぶん ひねくれて育ってしまったのかもしれません。老人党という名前だけは知っていま したがなださんが主催者と知り驚きました。打てば響く とてもいいです。毎回納 得させられてばかりです。特にスペインの選挙についてのコラムには感動しまし た。 
 日本人の人質事件の被害者を自己責任という理論をもちいて袋叩きにしている 世論を見て憤りを覚えました。様々な事情があるのに自己責任という安易な理論 で思考停止してしまう単純さ。自己責任という理論をこのような用い方をするなら ば政府の気に入らない行為をする人のほとんどを自己責任論で責めることが可 能になってしまうのではないでしょうか。また仮に多少なりとも人質に非があったと してもここまで責められることでしょうか。あまりに心無い仕打ちです。釈然としな いものを感じます。
 このまま人質が悪かった事にして一件落着となってしまったらこの国はもはや 自由や心などない国になってしまうのではないでしょうか。そんな国で生きていく 自信がありません。
(中略)
 ここで自己責任のまま終わらせるかどうかが今後の日本の分岐点になると思う のです。お願いします。頑張ってください。》



4月20日 「省みて人をいう」

 掲示板で、三人の人質に関する意見が寄せられたが、なかに「自作自演説」と いうのがあった。それは、単なる思い付きに過ぎない。なぜなら、人質は日本人 以外にもたくさんあり、それらの人たち全体が、みんなばらばらに自作自演したと は考えられない。なにをするのも「自己責任」で自由だが、人を傷つける自由、人 を殺す自由はない。個人の自由は他者の自由が始まるところで終わるという、原 則を守らなければ、自由そのものを失ってしまうことになる。
 掲示板は確かに自由な広場であり、何でも発言できるところが、最大のメリット だが、ここでの自由は、自分の言葉に責任をもって初めて守られる。こうした無責 任な発言が、三人の「PTSD」の原因の一つになっている。三人の人質解放に大 きな役割を果たしたスンニ派聖職者協会の代表の、自衛隊は撤退するようにとい う発言が、日本政府や自衛隊派遣に賛成した人に、不利であったので、不利を挽 回しようとしての、関係者かあるいはシンパの発言だと思うが、聖職者協会は、穏 健派のイラク人の多くの意見を代表するものと、素直に認めたらどうだろう。あの 聖職者が自作自演の演出者とでもいうのだろうか。
 日本のテレビばかりでなく、BBCワールドで、このニュースを見ていると、もっと 公平に判断出来ると思う。BBCワールドは、イラクに派兵しているイギリスのテレ ビだが、それでも自作自演説などを、思わせる発言はまったくしていない。
 解放されたとき元気だった三人が、日本に帰国したとたんにPTSDになったとい うことは、同胞の日本人の発言にショックを受けたということだ。解放されて、帰国 した他の国の人たちを、このような迎え方をした国はない。多くの外国人記者が、 日本発のこのニュースにショックを受けている。生きて帰ったことをよかったと喜 ぶばかりではない。ストリートチルドレンたちから慕われていた高遠菜穂子さんに は、日本人のためによくやってくれたと感謝したいほどだ。



4月11日 「パパお土産は?それは秘密」

 三人の日本人人質の運命が案じられる日、イラクの復興支援の任務を果たし たという自衛艦が横須賀に帰ってきた。その帰還風景がテレビニュースで流され た。喜び歓迎する家族。帰還した海上自衛隊員にマイクが向けられる。「お土産 は」カメラは家族に振られる。そして自衛隊員の答え。「エー、それは秘密」
 一方では、人質の家族の涙ながらの訴え。なんというコントラストだろう。パパお 土産は?これが日本政府のイラク復興支援の姿だ。
 人質の三人の素顔が明かされるにつれて、日本人の多くの知らないところで、 この人たちの黙々とやっていたことが、本当のイラク人のための復興支援ではな いだろうか。ことにストリートチルドレンに慕われていた女性には、よくやってくれ ていた、と同じ日本人として感謝したくなる。そのような三人が人質とは、なんとい う皮肉か。
 サマワにいる陸自衛隊は、なにをしている。陣地に閉じこもって飯を食っている だけではないか。コンピュータゲーム機を持っていっているという報道が真実な ら、ゲームでもやっているのだろう。精神衛生に必要だというから、悪いとはいわ ないが、でも、命を張って仕事をしているとイメージに程遠い。
 そもそも、命を張るわけには行かないのだろう。自衛隊員が万一負傷したり、死 んだりした場合には、小泉内閣が倒れる。小泉内閣を倒さないためには、じっとし て閉じこもって、飯を食っているしかないのだ。自衛隊員に責任はない。かれらは 命令されたのだから行ったのだ。

 石原都知事は、わざわざ関係もないのに記者会見を開いて、「人質の三人は自 由意志で行ったんだろ」と意見を述べていた。命をかけるつもりで行ったんだか ら、死は覚悟しろといいたいのだろう。そう、それも意見だろう。だが、自由意志で 行った人間の行動の価値と、命令で行った人間の行動の価値とが、これほど対 照的に示されたことはない。石原都知事の美学は、閉じこもって飯を食うだけの 自衛隊の、命令されて行う善意のイメージを嫌悪するようなものではなかったか。
 今のイラクの状況は、小泉首相の自衛隊はイラク復興支援のために行っている のだという言葉を、空虚に響かせる。アメリカが今ファルージャでやっていること は、4人のアメリカ一般人の私的な報復のために、一般市民を無差別に殺してい るだけだ。イラクの暫定政権からも、批判が巻き起こっている。それどころか、ほ かならぬアメリカに反対する感情が、フセインが織田信長的な残酷さをもってして 出来なかった、イラクの国民的一体化を成し遂げさせようとしている。なんという 皮肉。そのアメリカに忠告しようともしない日本は、本当の友人といえるだろうか。



4月7日  「リソナ2兆円は消費税1パーセント分

 民主党、社民党の「年金政府案に反対する決起集会」に呼ばれて、話をしてき ました。消費税1パーセントはほぼ2兆円ということなので、すべてを消費税何パ ーセントになるか換算して考える。民主党の提出する年金法案は、消費税3パー セントの増税を頭に置いた、年金一元化案。政府の案は拠出負担金を最終的に 15兆円まで増額する案。15兆円は消費税7パーセント以上に当たる。リソナ ぽんと出した公的資金は消費税1パーセント。一私企業の救済に消費税1パー セントをぽんと出した。その他の銀行への公的資金の注入額は、なんと消費税 にして16パーセント分。
 日銀が、輸出企業援助のために使った円は30兆ということなので15パーセン ト。これは損金ではないが、凍結されたお金である。
 日本の銀行は今ほとんど預金に利子を払っていない。これで銀行に入るお金 は、どのくらいになるか。最低で7兆円くらいになるのではないか。消費税の3パ ーセント以上である。大まかな数字だが、どれだけの金が私企業の経営建て直し につぎ込まれているか。それに比べれば、年金のために6兆円くらい出せないは ずがない。銀行の株が上がっているが、これだけ手厚い保護をして、業績が上が らないようでは、世界の7不思議に数えられるだろう。

 というようなことをいうつもりで出かけたが、八割ぐらいは言って帰ってきました。

 老人党が民主党と社会民主党の決起大会に呼ばれたという情報が漏れたの か、前日、若手議員との会合で、小泉首相が「議員年金の全廃止」を約束したと いうニュースが流れました。老人党がずっといい続けてきたことです。かなり、圧 力になってきたのでしょう。民主党も議員年金も一元化案のなかに含まれると約 束しました。
 仮想政党という吹けば飛ぶような老人党だが、意外と政治の世界で気になる存 在になっているのだな、と実感しました。掲示板の書き込みには、カッカして横道 にそれる議論もありますが、それもご愛嬌。まじめな議論はかなり政治家たちに 注目されているようです。
 民主党の山岡議員に、老人の運転免許の問題を、質問に取り上げて欲しいと 頼みましたが、かならず取り上げると約束してくれました。政治家は老人以上に 記憶力が衰えていることはないでしょう。



4月4日  「何故に講習か

 静岡に講演に行った先で、一人の老人党党員に「運転免許のことを問題として 取り上げて欲しい」注文をつけられた。運転免許更新に際し、老人は講習を受け ろ、講習の費用6150円を払え、といわれて疑問に思った。これは老人を理由な く差別するものではないか。しかも教習所で講習を受け、その証明を持ってこなけ れば免許を継続しないという。これは、最近教習生の減少に苦しんでいる、教習 所の経営を援助するためではないか、と疑う。そうその党員は怒っていた。

 また友人の一人も手紙に書いてきた。「70歳以上だから、身体的に麻痺がない か、視力が落ちていないか、をカンタンにチェックするというのは分かる。それは、 これまでの更新の時にもしてきた。しかし講習を受けろ。講習の費用として615 0円を払え、といわれたのには腹が立つ。講習を受けた証明をもらうために、全 部で3時間かかるという。書類を書く時間を入れると、4時間になる。おれはこれ まで無事故無違反でゴールド免許の保持者だぞ。これが運転能力に、今のところ 支障がないという最上の証拠ではないか。講習を受けると事故が減るという統計 の結果でもあるのか」かれは相当に怒っていた。

 ぼくのところにも、同じような通知が来た。やっぱり腹が立った。講習のためにノ ートと筆記具を用意しろという。違反者や事故を起こした人間を再教育する。講習 を受けろというのは分かる。(じつはよく分からないが)講習というのは日本的だ。 いや日本のお役所的だ。講習を聞いた人と、聞かない人との間に、事故予防の 実質的な効果があった、という統計でもあるのだろうか。
 老人だからという理由で受けろというのは、そのために6150円余計に払えとい うのは差別である。そもそも老人にそんな講習をしても、どれくらい覚えていられ るだろうか。その内容をすぐに忘れてしまうだろう。そもそも、こちとら物覚えが悪 くなっている老人だぞ。
 だが老人は、つまらんことはさっさと忘れてしまうが、大切なことは覚えている。 赤信号は停止であり、日本は左側交通であることは忘れていない。譲り合う気持 ちが運転の基礎的モラルであることなど、講習など受けなくても知っている。スピ ードは押さえ気味にすべきだとも知っている。
 講習を押し付けておいて、講師になるのは天下りした警察のOBというのではな いだろうか。
 こんなことを決めた条例は、憲法違反で無効であると、ぼくは提訴したい。法律 の専門家たちの意見を聞きたい。これはどう考えてもおかしい。



3月29日 「今という時代」

 短い感想です。あっという間に時がたちます。二週間近く間をあけてしまったこと をお詫びします。その間に、社民党の福島みづほさんと対談しました。彼女は、老 人党の掲示板に書き込み、それに丁寧に返事をしてくれた方たちに、感謝してい ました。質問に参考にさせてもらったということです。
 でも、二週間の空白に「忙しかったから」といういいわけは、しません。いいわけ するなら、「熟考していたから」といいます。口の悪い人は、「熟考したあげくに、こ れくらいのことしか言えないのか」と皮肉るでしょう。よろしい。皮肉ってください。
 今をどう見るか。政治家には、今は「参議院選挙の前」という時代しか見えてい ないでしょう。しかし、われわれは、もう少し、世界に目を向けてもいいでしょう。世 界は動いています。どちらの方向に動くかが問題ですが、その鍵を握るのは、ア メリカ大統領選挙です。
 今年の終わりには結果が出ます。ぼくには、イラク戦争で最悪の方に振れてい た振り子が、戻ってきつつあるように見えます。その結果として、ケリー候補が次 期大統領になる可能性が強まったと考えます。ブッシュは金持ちの支持を受け、 ケリーの10倍も20倍もの選挙資金を集めているといわれていますが、お金で選 挙が買えるなら、ケリーに見込みはないでしょう。しかし、確実といえないまでも、 五分に戦えるところまできたということは、少なくとも金でなんでもできるという、時 代の終わりかけている証拠だと、ぼくには見えます。金でもなく、大衆迎合でもな く、政治には志こそが必要という時代が到来しそうな気がします。

 今、日本では改憲が論議されます。あるいは、それをとばして、憲法9条などま ったく無視し、外国からミサイル攻撃があったとして、などと仮定をもとに、アメリカ のスターウオーズ計画に参加するのが当然のような議論をする若手の議員たち がたくさんいます。かれらは日本を普通の国にしたいのです。どうして憲法9条を もったユニークな、特別な国という誇りを捨て、普通の国になりたいのでしょう。か れらはその誇りを失ってしまったのか、はじめから、世界に平和をもたらす志な ど、持ってなかったのでしょう。
 ぼくはなぜ今の憲法を愛するか。9条があるからです。それゆえ日本が特別な 国でありうるからです。ぼくたちが世界の平和に、明白な志を持った国であること を、この憲法で示すことが出来るからです。どこかの国が攻撃してきたら、などと いう仮定の議論の末に、志を捨てるようなことはしたくありません。
 人間、誇りをもつことは大切です。人間、しばしば誇りのために命さえかけま す。平和憲法で国が滅びる?それを賭ける覚悟が必要なのです。傲慢さは掃くほ どあるが、誇りが見当たらないのが、日本の現代の政治です。アメリカの有権者 が、国際政治の路線を変える決断をするか、どうか、見守りましょう。スペインの 選挙を遠くから見ながら、有権者が主役なのが、民主主義であることを、痛感しま した。日本の有権者は、民主主義を諦めているわけではないでしょう。



3月16日 「スペインの選挙

 短い感想です。
 スペインでは、イラクから撤兵させることを公約した、野党が選挙に勝った。戦 争より、平和を愛する人たちが多かったということ。これはスペイン人がテロに屈 したということではない。
 テロには反対だが、テロを止めさせるには、戦車と飛行機で砲弾や爆弾を投げ るのが最悪の手段であることを理解しただけだ。
 精神的に未熟な人間は、なんでも勝ち負けで考えたがる。ここでテロに屈した ら、負けたことになる、などというのは、勝ち負けで考える人間のせりふだ。
 それなら、お前はどう考えるか?という質問に答えよう。ぼくは想像しろ、という。
 もしイエスが、今ここにいたら、なんというだろう。今、ムハンマドがここにいた ら、なんというだろう。ブッダがここにいたら、なんというだろう。そう想像してみる だけでいい。決して「毅然とした態度で」とか「ひるむことなく」とか「ここでテロには 負けられない」だとかのセリフはかれらの口からは、聞けないだろう。むしろ、「わ たしはテロをする人に直接会って話したい」というだろう。自分の真実の言葉の強 さを信じるからだ。自分は、かならず相手の説得に成功するに違いない、と信じて いるからだ。



3月5日 「老人党の新鮮味

 ヴァーチャル老人党は、登場のときに新鮮な印象を与えた。だが、そろそろ一 。同じことを繰り返してばかりでは、又かと思われるだろう。新鮮さがどこかに 消えていったような印象を与えないように、新しい提案を続けて行こう。
 ミャンマー人キムさんの家族の国外退去の判決は取り消され、難民として永久 在住の許可がおりた。数ヶ月前の法務大臣の「粛々として国外退去処分を執行 する」といった発言は取り消された。老人党も、イラクへ人道援助というのなら、足 元の日本の難民問題を人道的に見直したらどうか、と主張していた。もちろんキ ムさん一家を支えた人たちの努力の結果だが、それが、後一押しくらいの力には なったと思いたい。

 老人党のホームページで、ドル買いによる円高対策、(実際には米国債購入) の問題が論じられていたが、ようやく数日前になって、朝日新聞がこの問題を記 事にした。われわれが、少し先を走っていただけなのか、われわれを見て、日本 の読者は馬鹿に出来ないぞ、と気付いて、新聞の方も対策を考え始め、紙面を 変えつつあるということなのか。希望的に解しながら、とりあえず様子を見ること にしよう。

 小泉首相の靖国参拝で、中国への新幹線輸出は絶望的になった。中国の上 海北京路線を、フランスTGVに取られることになったが、日本の経済界は、どうし て小泉首相に何も不満をいわないのだろう。
 靖国参拝に関して、老人のぼくが納得できないのは、靖国の差別性だ。どうして 靖国はA級戦犯の合祀を急いでやったが、他の戦争犠牲者を合祀することを 考えなかったのだろう。原爆被害者、大空襲被害者の合祀を考えた上で、次のケ ースとして戦犯の合祀をも考えるというのなら、少しは分かる。だが、靖国は建前 として軍人が祀られて、一般の国民には縁のないところ。戦死軍人には遺族年金 が出たが、原爆犠牲者の家族には何か出たか。もちろん沖縄の一般戦没者たち の場合も同じだ。こうした現状を、靖国に参拝する政治家はどう見ているのか。