打てば響く
2013年

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5月28日

 最近の株の暴落。アベノミックスとやらの円安政策に騙されるものも、はじめ
は多いだろう。しかし、こんな人工的な手段(坊ちゃんたちの考え付きそうな)で
は、デフレ脱却とやらはできない、とぼくは睨んでいました。『婦人之友』にその
ことを書いておきました。
 株屋たちが、それをはやして株価を吊り上げていましたが、もうけを得るの
は、この辺が限度と考えたのでしょう。それが今度の暴落になったとぼくは見ま
す。
 日本の株でもうけているのは日本の株屋ばかりではありません。儲けを狙う
世界中の株の相場師・投機家なども、こういう機会を逃さない。かれらは、ナシ
ョナリズムには関係ありませんから、もうけられるのは、これが限度かなあと思
えばさっさと手を引く。
 そして数か月の浮いた気分も、もう終わりでしょう。日本のマスコミは昔から、
どちらかというと政府寄りで、アベノミックスの提灯を持ってきましたが、いまご
ろ、この騒ぎで一番儲けたのが相場師や投機家で、損をしたのが、これから円
安の付けを、諸物価値上げの形で、払わせられる日本の庶民だと気が付いて
いるでしょうか。
 でも、株暴落が、参議院選挙の前であったことが、唯一の救いです。

 一方で、アメリカに勇ましくケンカを売った維新の会の橋下が、あっけなく降参
してしまったのは意外でした。次号のちくまに、少しは頑張るだろうと、見込みを
書いてやったのに。ちょっとがっかりでした。維新の会の議員たちが、選挙のた
めに、謝らせたのでしょう。しかし、タイミングが良くない(かれらにとってです)。
維新の会の勢いはもうこれで終わりでしょう。つまりかれらも終わり。
 現在まで、ひたすら選挙の利害で結びついていた自民・公明の連合ですが、
改憲に消極的な公明とは選挙が終わるまで付き合い、あとは維新の会とくっつ
こうか、とひそかに考えていた自民党の黒幕も、この維新の会の自滅は計算
外だったのではないかなあ。
 こうして自民の勢いが落ちてきたのに、それに付け込むことのできる野党が
いない。野党連合を作る知恵者がいない。つまりは、少しばかり知恵の深い政
治家が野党にいないということ。本当に政治家日照りですな。

 ぼくは、がんとの付き合いで、なんとか頑張っていますが、白状すると、ちょっ
ときつい。
 がんの告知は、本人に、自分の残りの人生を計画させるためには都合がい
い。ぼくはその恩恵を受けている。しかし、父、夫が次第に死に近づくということ
を知らされた近親の者たちには、この告知は、かなりな苦痛を与えている。そ
のことなど知ったこっちゃない、自分のことで頭はいっぱいだ、といっていられ
ないのが、精神科医である本人。精神科医の同僚たちよ、告知のこうした一面
の研究をしてくれないだろうか。それがぼくの今の気持ちだ。


5月11日 

  友人の一人から、元広告批評の天野祐吉さんが、どこかの新聞で、「強い国
より、賢い国に賛成」と書かれていたとか、ぼくは見落としましたが、老人党の
スローガンが、少しづつ浸透し始めた証拠です。
 ともかく、天野氏は、はっきりと同意の意見を示してくださった初めての人で
す。そのうち、第二、第三の人が表れてくれるでしょう。最初までが待ち遠しか
った。
 政治は、考えも大事ですが、ネーミングも大事です。
 これから、諸物価値上がりが続きます。インフレが向うの狙いなんですから。
マヨネーズが値上がりしました。輸入食品の値上がりの、分かりやすい第一例
です。
 このコラムで予測していた通りです。これを安倍値上げ第一号と呼びましょ
う。実際にはパンが値上がりしていますが、バーゲン商品になっていたりで、は
っきりしませんでした。電気の値上がりも安倍値上げですが、原子力発電が使
えないため、など理屈をこねられて、庶民には分かりにくかった。今回は、キュ
ーピーという会社が発表してくれた。値上げ理由を円安だと指摘して。値上がり
はあまり好ましくはないのですが、この株式優先の安倍政治をストップさせるた
めには、アベノミックスの欺瞞を、庶民に分かる言葉で知らせる必要がありま
す。
 次に、円安による値上げが来たら、声をそろえて安倍値上げ第二号と叫ぶこ
とにしましょう。


5月4日 

  25回の照射が終わりました。ほっとした隙に風邪にやられ、気管支炎が長引
き、ひどい空咳でちょっぴり体力消耗。しかし休んでいる間に考えました。

 人はどう考えようと、無神論者のぼくは、死んだらそれでおしまいです。あの
世などなく、地獄も天国も極楽も中世的な人間の夢です。
 死後の話は嘘くさいものばかりですが、その中も一番嘘くさいのが、「死んだ
ら靖国の英霊に」です。国の作りだした国に都合のいい嘘の代表です。英国の
首相もしたディスレーリーの残した格言、「嘘には三つあり、ただのうそと、真っ
赤なウソと、数字のうそ」の真ん中に当たります。
 靖国の嘘は作った人たちも、その意図も、分かっています。作ったのは大村
益次郎です。かれは藩をつぶし、これから国民の多数を占めている農民商人
職人で国軍を作るべきだと考えた、当時の人間としては、すごい合理主義者で
した。
 その国軍のよりどころとして、国のために死んだものは、天皇が拝みに来てく
れる神社の祭神になれる、という信仰を植えつけようとしたのです。かれは自
分は合理的に考えられるが、ほとんどの日本人には、その程度の宗教性を国
に与えないと、国としてまとまる意識が持てない。それでは、この先中央政府は
崩壊する、という危機感を抱いたのでしょう。それを暗殺で死ぬ年に実現させま
す。明治2年1869年のことです。
 かれは本当に先の見える男で、大阪に一大軍事基地を作ることを、明治2年
の死ぬ直前に考え、後輩に計画を立てさせています。東北の後は、薩長が国
の敵になると予測し、その大乱に備えさせているのです。
 それで彼の死ぬ年に東京招魂社は建てられた。かれの死後10年、西南戦
争が終わり、招魂社に合祀されることになった時に、靖国と名前が変わった。
誰を祀るかは軍が決めたので憎き敵を排除します。敵も味方も、日本近代化
のための犠牲などとは考えられません。以後、ここの神様は、お国のために命
をささげた人という基準を作り、日本の官僚が、選ぶことになるのです。神様
が、官僚に選ばれる。その神様をまじめに拝む気になれる人は幸いなるかな、
です。
 靖国には台湾神社に祀られていた北白川の宮と蒙疆神社に祀られていた北
白川の宮(二人は兄弟だったのかどうか)もまとめて戦後祀られることになりま
した。半分はこの宮さんのためのものです。天皇家のかかわりがいかに深い
かもわかるでしょう。

 英霊ってどんなものですか、死んだら霊になって神社の奥に入るって信じられ
ますか。200万以上もの霊が押し合いへし合いしているのが見る人には見え
るのですか、というバカな質問を、国会でも、だれもしない。馬鹿がいなくなった
のでしょう。同時に、バカを言える記者も議員もいなくなったのでしょう。


3月24日 基地がなくならない限り、沖縄の戦後は終わらない

 前回の感想を見て、驚かれた方もおられると思うけれど、その後、とくに自覚
症状は現れず、毎日車に乗って病院まで行き、順番を待って、放射線の照射
を受けて、与えられた薬(抗がん剤)をきちんとのむという、生活を繰り返してい
ます。

 さて、政府は辺野古沖の埋め立ての許可を申請しました。突然の申請です。
この問題に対するぼくの態度にぶれはありません。ぼくは沖縄には基地は不
要と考えています。不要であるばかりではなく、戦後60年以上も経つのに、ま
だ占領状態が続いているような状況は不当です。いつまでも沖縄県民に、この
状態を押し付けているのは、ぼくの良心が許しません。
 沖縄と国が対立したら、ぼくは沖縄の側に立ちます。
 政府は基地をなくすことを考えていません。基地による沖縄の苦痛を軽減す
るというが、基地をなくすという発想はまったくもっていないのです。

 そもそもアメリカは、戦術を変え、海兵隊を紛争地域に派遣することを、やめ
ようとしています。その代わりに登場してきた、無人偵察機(ドローン)による作
戦を重要視しているようです。このドローンも問題ありですが、今はそれには触
れません。
 沖縄の米軍基地は、日本の安全保障上必要だ、と政府は繰り返し述べます
が、日本の安全保障に役立ったと思われる事件は、これまでに一度もありませ
ん。ただ、アメリカの戦争に役立っただけです。
 アメリカは戦後、朝鮮戦争をはじめ、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガン戦
争と、戦ってきましたが、朝鮮戦争をのぞいて、沖縄はそれらの戦争の直接の
後方基地の役割を果たしてきました。もちろんそれらは、日本の安全保障とは
関係のない戦争です。
 そしてその戦争の結果はどうか。ベトナムから米国は撤退を余儀なくされた。
 イラクは、現在、アメリカの願ったような状態にあるか。それとはほど遠い。こ
ちらも、撤退を余儀なくさせられています。
 アフガンではどうか。ゲリラには負けはなくとも、明白な勝利というものがな
い。その間、消耗戦を強いられる。経済的には、どうしても重荷になってきてい
るという状態です。
 
 だれが見ても、もう沖縄のような基地を持ち、そこから海兵隊を出撃させると
いう戦略が、軍事的な意味を失ってきていることが明らかです。なおかつ日本
に基地があるのは、日本が駐留費を払い、アメリカが兵隊を訓練する場所とし
て、基地を安価に使用できるよう提供しているからです。 
 日本はアメリカに忠誠心を示すために、沖縄の基地を提供しているにすぎな
い。アメリカは、日本が、駐留の面倒を見ているので、惰性でそれを利用してい
るだけです。
 しかし、沖縄の人たちに取っては、基地は、生活の質の問題なのです。毎
日、騒音とともに暮らすのは、もううんざりだし、危険と暮らすのも、飽き飽きし
た。いい加減で、米軍には出て行ってほしいのです。静かに平和に暮らした
い。
 もし日本政府が、米軍の駐留を望むのなら、日本の本土のどこかに基地を
探せばいいでしょう。できるなら首都の近くがいい。そうすれば基地と一緒の生
活というものがどういうものかが、政治家にも、その支持者たちにも分かるでし
ょう。もしそのような話がでれば、基地候補地の周辺から、猛烈な反対運動が
起こり、地元からの反対で、実現は不可能でしょうけれど。
 外国の軍隊の駐留などない方がいいのです。それが60年も続いてしまった
とは。 


3月8日 感想と報告

 以前に自分は「前立腺がん」だと報告しました。この時の告知で、自分の人生
の終楽章が始まったようだという感想も書きました。ほぼ二年くらい前になりま
す。
 それから現在までたゆまず治療中でしたが、PSA指標は落ち続けたままで
す。このままで済むのだろうかと思いかけた最近になって、違った展開が見ら
れるようになりました。
 最近、上腹部(胃のあるところあたり)にしつこい痛みを覚えるようになり、近く
の病院を紹介され、胃カメラ、CTなどをすることになりました。
 ぼく自身が医者の端くれですから、検査の前、膵臓あたりの痛みではなかろ
うか。もしかしたら、利尿降圧剤の副作用による、慢性膵臓炎ではないかと自
己診断していました。検査の結果は、内科医に、膵臓はあたっていますが、膵
臓炎ではなく、がんです。しかもかなり広がっています。もう、手術はできませ
ん。と告知されました。がんの告知は二度目。
 二度目になると告知慣れです。はいそうですか。人生終楽章のなかばの展開
部のエピソードですな、と受け止めることにしました。
 進行を食い止め、痛みを抑えるための、放射線療法、抗がん剤両方が始ま
ります。抗がん剤は飲み始めましたが、ボディーブローのようにじわり効いてく
る感じです。
 がんの方にも効いてくれればいいのですが。

 ということを、皆さんにも報告します。老人党提案者として、報告の義務があ
るだろうと思うからです。

 個人的には、今は、中途半端になっている本の企画を、どんどん実現してい
こう。時間との勝負だな、積極的な気持ちになりました。
 中江兆民が「一年有半」を書き始めた気分です。兆民は日本で最初にがんの
告知を医者に迫った人です。
 「本当のことを言ってください。こっちのつごうもあります。このあと最大でどの
くらい生きられますか」。
 その返事が「長くて一年半」でした。
 既に前回の感想に書いたと思いますが、「治らないの意味」という本を「中央
法規」という出版社からだしました。題名が題名なので、奇妙な一致ですが、
偶然の皮肉です。本が発売される頃になって、告知があったのです。

 そちらはいいのですが、問題は老人党です。
 これからのことですが、まだぼく自身はどうするか、どうできるか、考えていま
せん。
 皮肉なもので、先を見越すことのできる老人党のような掲示板は、現代の政
治状況を見ていると、ますます期待されるものになっているように思えます。
 しかし、この掲示板へのぼくの寄与は、これから、どうしても減少せざるを得
ません。このさきのこと、皆さんにもよく考えていただきたいと思います。
 ともかく一つの区切りの時期に来ているとは思います。


2月19日 個人的報告

 新しい本が出ます。吉岡君というケースワーカーとの共著です。出版元は 
「中央法規」、精神保健白書などを出している関係で、このような種類の出版も
することになりました。

 ぼくがイントロを書き、ぼくとかれとのメールのやりとり、そしてかれとぼくの、
部分から成り立ちます。ぼくの部分は、常識療法。
 常識療法とは何か、知らない人が多いでしょう。当然です。自分のやってきた
精神療法(心理療法)にそういう名前をつけたのですから。
 この本で、具体的に常識療法がどういうものであるか分かるでしょう。

 今年は、家内の病気ではじまり、家内が快方に向かっている今、ぼくが上腹
部痛に悩むことになりました。明日はCTスキャン明後日は胃カメラによる検査
です。生まれて初めての胃カメラ、ということはぼく自身が、病気をあまりせず
に、ここまで生きてきた証拠です。しかし患者することには慣れていないので、
すべてを大げさに考えすぎて、若い医師たちに笑われます。
 そういう次第で、感想を書くのをさぼりました。御容赦を。

 今月の『婦人之友』の原稿は、自民党が準備中といわれる「イジメ基本法」に
ついてのつむじ曲がりな感想になります。

 日本ではメルケル西独首相が、安倍総理に電話をかけてきた内容について
はほとんど報道されませんでした。事実さえ知らない人が多いでしょう。もちろ
ん円安誘導は怪しからんという内容です。日本の国債を持っている者にとっ
て、意図的に円安に誘導するのは、故意に損害を与えられることですから。G2
0の主要議題がそこに集中したことは当然です。これとメルケルの電話とを結
びつけた報道がなかったのは、日本の報道の力量を示すものです。

 今回は短いですが、これにて失礼。


2月3日 「賢い国」のスローガン

 「ちくま」連載のコラム、「とりあえず主義」の次号の題は、≪「賢い国」というス
ローガン≫です。これは日教組新聞のコラムに、選挙に間に合うように、「賢い
国」というスローガンを提案したが、買い手がつかなかったことを残念がる文章
です。無料で売りに出しているのだから、買えばいいのに、とぼやいて見せて
います。
 ともかく、社会党も共産党も生活の党も、「賢い国」を取り上げないので、わが
老人党だけでも≪日本を「強い国」ではなく「賢い国」に≫をスローガンに掲げ
ようと思います。「強い国」をスローガンに掲げる党は、すぐに福祉を削り、軍備
費をふやすだろう、といっていたら、その通りになりました。
 そして、なんとしても成長路線に戻すことを考えているようです。一家の家計
をやりくりしている一般家庭は、まず何としても収入を増やそうとしますかね。と
にかく収入を増やすために、借金して競馬で稼いで来い、なんて亭主をけしか
けますか。賢い主婦は、収入は変わらない世の中だから、何とか、賢いお金の
使い方をしようと考える。そこが腕の見せ所です。
 政治家の常識がいかに、生活者の常識とかけ離れていることか。
 賢い国は、自分たちの住む地球環境を破壊してまで、成長を望みません。原
子力発電は安いエネルギーだなどという嘘にだまされない。反対が多くて、最
終処分場も決められないので、その分の経費は抜きにして計算して、安い安い
といっているのです。安いエネルギーなんていう財界人がいたら、賢い人たち
は、そう反論しましょう。
 環境破壊の代償は、原子力の電力料金には含まれていない。賢い国は、発
電量をただ増やすことを考えず、省エネルギーを考えます。省エネルギーの産
業を育てます。環境保全には、省エネルギーが賢いやり方です。
 武器を生産するために、エネルギーを使ってしまうのは、北極や南極の氷を
解かすスピードを速めているようなもの。氷が解けて海水面が二メートル上昇
することは、全世界の海岸に二メートルの津波が押し寄せることです。日本の
太平洋岸だけの津波と違うのです。そしてこの津波、押し寄せたままで、引い
てはいかない。
 世界の二メートル以下の土地に、どれだけの畑や田んぼがあるでしょう。食
糧生産はその分減ります。
 こういう風に、何が人間にとって賢い選択なのか、考えるのが賢い国です。
 日本のことだけを利己主義的に考えるのではなく、他人を思いやることが、結
局、日本を救うことになります。

 ぼくは「賢い国」なら民主党のようにバラマキ福祉はしないと思います。あれ
は賢くない。お金はばらまくものでなく、賢く使うものです。
 何でもいいから名目上だけでも、ともかく成長することを目指したとき、バブル
が起きました。その過去の経験を忘れてはいけません。あの時代、需要がない
のに供給を増やした。それでも数字の上では成長だった。強い国を目指す人
たちは、金融緩和だけで数字上成長させようとしています。賢い国を目指す人
は、生活の質を向上させようとします。

 「強い国」というスローガンに対抗できるスローガンは「賢い国」しかないです
よ。


1月7日 庶民を名乗る人のメール

 当然の結果だが、民主党が惨敗して、安倍内閣が発足した。
 大阪の「よみうり新聞」が、どういうわけか「老人党」のコメントがほしいという
ので、答えた。
「この内閣を一言でいえば」
「こんなのお坊ちゃんかき集め内閣や」
「安倍内閣に何を期待するか」
「無理に期待させるな。初めから期待していない。坊ちゃんたちに庶民の気持
が分かるとは思わない。喜ぶのは株屋ばかりだろう」
「新入閣の若手たちには」
「見たこともないような顔ぶれだ。見たこともない人間にどう期待すればいいの
だ」
「二人の女性閣僚は」
「お隣の国には女性の大統領が選ばれる時代だ。女性が大臣になることは話
題にもならん」
と、コメントしたら、たくさん意見を伺って、どれだけ紙面に反映できるかわから
ない、と記者が申し訳なさそうに、言い訳をした。
「そんなことわかっている。たいてい骨抜きして、これがオレのいったこと?と、
思うようなコメントが載るので、新聞とはそういうものと思っている」と答えた。
 ところがデスクが気に入ったらしく、かなり紙面を割いて、コメントした大部分
を載せた。珍しいこともある。
 関東にいるぼくには、どんな記事になっているか分からなかったが、すぐに自
民党支持者と思われる、庶民を名乗る人から、メールが来た。著作権もあるの
で、コピーするわけにもいかないが、「お坊ちゃんかき集め、というが、代議士
の子弟が40%の自民党の議員で組閣すればそうなっても当然。この内閣だけ
意図してかき集めたわけではない」などなど、抗議の内容だった。自分も庶民
である。だが、大いにこの内閣に期待していると締めくくられていた。名前も書
かれていたので、丁重に返信したが、返信の返信はない。ぼくの返信の内容
はいずれ、どこかに書く予定だ。
 年金生活者は、年金が上がらないで、物価だけ上がっていったら、生活が苦
しくなるのは目に見えている。これから給料を上げてもらえると思うサラリーマ
ンはどれだけいるだろう。2パーセントの物価上昇を目標にするなんて、ばかな
ことを。円安に振れる。それだけで、食料自給率の低い日本は、生活費がどん
どん上がる。もうすでにパンが値上がりしている。マグロなんてインフレ的な値
上がりだ。国民の生活を脅かしながら、なんで日本防衛なのだろう。
 日本とは何か、もう一度議論をする必要があるようだ。



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