打てば響く 
過去記事(2004年7,8,9月)

 7月12日  8月6日  9月1日  9月30日  




9月30日  「掲示板の議論」

 現在の掲示板の議論は、狭く、感情的になる傾向があることを感じます。

 掲示板というのは、自由な広場だというのがぼくの考えです。ぼくは自由に関し ては、絶対自由主義者です。人間は自分たちだけで、必要なマナーを自然に作っ ていける動物だと信頼しています。渋谷や銀座の、スクランブル交差点の人の動 きを、高いところから見ていると、一人一人が、よく激突しないで、それぞれが、そ れぞれの方向に歩いていけるものだと感心します。相手とぶつかなないように、 歩きながらでも、微妙な微調整ができるのです。この掲示板もできるなら、そうし たマナーが自然に出来上がることを祈っています。甘いなあ、なださんは!と思 いますか。

 難しいと思いますが、それが出来ると信じる方が、気が楽になりますよ。精神科 医ですねえ!ですか。人間に、日本人にそんなこと出来るはずがない、と悲観的 になると、うつになるだけです。やっぱり精神科医てきかな。ともかくとりあえず、 悲観主義は横におきましょう。

 さて、侵略という言葉についてですが、言葉を議論するより、その前に今の事実 を見ましょう。イラクに米英軍主体の軍隊が入っています。
 これは侵略ですか。進出ですか。アメリカでは国民の半数が侵略ではないと思 っているようです。ブッシュ支持なのですから。しかし、イラクの国民はどう見てい るでしょう。これは侵略でない、進出だ、と思っている人が、どれだけいるでしょ う。第3者として見るとどうでしょう。

 全世界でもそうです。アメリカは自己中心的(子ども的だということです)に見え ませんか。アメリカがテロ攻撃を受けたのは、なぜかという分析が議論の中に見 えません。ただひたすら、自分の行為を正当化するだけです。そう、世界の大多 数の目から見えるでしょう。

 自分が信じるだけではすむことではない。一つ高い次元から見下ろして、自分 たちの議論を考えてみましょう。



9月11日   「華氏911」

 少しおそくなったが、今日、マイケル・ムーア監督の「華氏91 1」を見てきた。 「ボウリング・フォー・コロンバイン」もよかったが、自分では分かったつもりだった イラク戦争のからくりを、人に説明するには、どう語ったらいいのかを、教えてもら った。その点で、非常に有益だった。こんな風に、日本の政治の虚構を見せつけ る映画監督が、日本でも出てきてくれたらと思う。それにしても、軍、戦争関係、 大統領関係の映像を、よく集められたと感心する。さすがにアメリカだ。情報公開 が日本と比べものにならないほど進んでいるのだろう。

 アメリカの兵隊、戦死者の家族に、戦争を語らせ、アメリカの国会議員の家族 で、子どもがイラクに行っているものは、たった一人であるという事実をあかす。 戦争に賛成しながら、自分の家族はイラクに行かせたくない議員たち。ムーア は、反戦のための、攻めどころを知っている。

アメリカは広い。株価は好景気をしめしているが、ムーアの出身地フリントは、唯 一の企業が撤退したために、失業者があふれている。彼らは、軍隊への入隊者 勧誘のターゲットだ。そして就職のつもりで軍隊に入り、イラクへ送られる。そして 運が悪ければ死ぬ。それ以上に自分の魂を荒廃させながら、何倍ものイラク人を 殺す。

 アメリカの「愛国者法」は9・11のパニック状態でなければ成立しなかったが、 日本のオリンピックの熱狂ぶりを見ていると、同じような法律は簡単に成立してし まう危険を感じる。だが、視聴率から見ると、メダル数で新記録だと騒いでいたほ ど、オリンピックの視聴率は上がっていなかったらしい。最近発表された、視聴率 調査会社の報告だと、そうなる。テレビメディアが与える印象に反して、意外と日 本の視聴者はクールだったようだ。

 日本の政治家の説教くさい話を聞いているより、日本をどちらの方向に向けて いかねばならないか、がよく分かる。まだ、見ていない人たちは、早く見に行こう。



8月6日   「さてこれから・・・」
        
 定年時代という、朝日に関東近県で月に二度、差し込まれているPR誌がインタ ビューに来ました。選挙が終わっても、草の根的な関心が、老人党に寄せられて いるらしい。
 インタビューで、またまた、立ち上げた当時の意図について聞かれ、答えなが ら、「そうだ、あれから、まだ一年半にもなっていないのだ」と、自分で驚いてしま いました。

 一年半前、自分の支持する党に投票するのでなく、政権交代させるために、今 の政治に不満なら、それに責任のある与党を引きずりおろすつもりで投票しろ、 気に入らない候補者でも、与党候補を引きずりおろすために、眼を瞑って、鼻を つまんで、勝てそうな野党候補者に票を入れろ」といっていたことを思い出しま す。「選挙というのは政党の人気投票とはちがうんだ。今の政府を信任するか、 不信任するかの投票なのだ。今の政府に馬鹿にされていると思ったら、とりあえ ず、野党の中で一番有力な候補者に票を入れろ。政権交代を目指すためにはそ れしかない」といって老人党のサイトを立ち上げたのが一年ばかり前のことだった のです。それが、もう政権交代の実現が、現実にありうる情勢になってきたので す。老人党がそういう状況を作ったとはいいませんが、かなり先見性を持ってい たと、いえるのではないかと思います。

 今度の参議院選挙では、共産党をはじめとして護憲勢力には気の毒な結果に なったと思っています。老人党の主張が、不利に働いた、と恨まれても仕方ありま せん。護憲の気持ちでは負けないぼくとしては責任を感じています。

 しかし、護憲勢力はこれまで、ずっとジリ貧だったし、護憲に必要な三分の一の 議席を、とっくの昔から割り込んでいたのです。本当に憲法を守りたいなら、ここ で賭けに出なければならないのです。その危機感が欠けていたとは思いません か。ぼくはここで、護憲勢力は、共産だ、社会民主だと、分裂していてはいけない と思う。本当に国民の意図を感じ取るなら、合同すべきだと思う。共産だ、社会だ などという、名前など、もうどうでもいい。
  そんなことにこだわって、口だけの護憲に満足するのか、実質護憲のためな ら、名前ぐらい捨てる気持ちで、この危機にのぞむかの問題です。そうでなけれ ばこの危機は乗り切れない。

 でも、二大政党時代がくれば、一割の強い護憲の背骨を持っていて、現実には 他の多くの点では譲歩できる、柔軟性を持つ第3極の政党なら、憲法を守れるの です。一割を味方につけて、権力を取りたい党派と、護憲だけを条件に手を組め ばいいのですから。その他の点で、国民が一番切実に考えているのは、環境で す。地球が滅びて、何が日本か、日本の憲法か、というところです。護憲党でもい いし、緑の党でもいい、ともかく第三党を結成することです。緩やかな連合体でも いいでしょう。護憲連合、あるいはみどり連合で、まとまることができればいい。ば らばらでは、参議院で代表質問も出来ないではないですか。それでいいのです か。

 国民は、今の異常気象に、危機感を感じています。景気さえよくなればいい、と 考える人間が、日本では多数でしょう。しかし、いや、少しの不自由は忍んでも、 未来の人たちのために、今は、環境を守るために何かなすべきだ、という人たち は、多数を占めることはないでしょうが、第3極を形成するのに十分の数がいま す。それを、今は、まとめられないでいるだけです。護憲勢力は考えてください。 早くしないと、次の選挙は直ぐに来てしまいますよ。

 それに関連して、地方政治についてのあり方も考えていますが、今回は、前に あげた問題を緊急提案して、地方政治に関しては、この次までにまとめることにし ます。ぼくの考えについて、掲示板で意見を待っています。


参議院選挙後のわたしの考え。
「さて、この次は」

 二大政党化、政権交代の可能性はかなり大きくなりました。小泉政権に、未来 はなさそうだと、自民党も感じているでしょう。でも、自民党には次の首相候補が いない。民主党の岡田は、一応党首として選挙を戦い、それなりの結果を残し た。実際には風に乗っただけだが、選挙に勝つと風格も出てくるもの。一応首相 候補として次の選挙に臨めるでしょう。それまで時間もある。しかしそう思って油 断していると、風向きを探して、解散という手を打ってくるかもしれないから、よく有 権者からの意見に耳を傾けることだ。しかしそれは、民主党の問題。

 老人党としては、政権交代が行われるようになったとして、その次を考えねばい けないと思います。それはしっかりとした思想性を持つと同時に、現実の場面で は、柔軟性のある決断のできる、第三勢力です。共産党が名前を変えるくらいの 柔軟性を持てれば、第三勢力になり、是々非々で、政治の流れを変える、鍵を握 れるようになれるのですが、ここはこれまで外部からの意見などに耳を傾けること などなかったから、老人党の意見は無用でしょう。

 となると残りは「みどりの会議」と「社民党」ですが、残念なことに「みどりの会議」 は議席を失ってしまいました。みどりの会議の敗因は準備不足です。決して、主 張するところは間違っていない。まず第一に環境を優先して考えるという政治姿 勢は、この気候不順を現実に肌で感じ取れば、地球を救うためには緊急の課題 であることが分かります。

 未来によい環境を残すというのは、われわれ老人の願うところでもあります。ぼ くとしては、老人が環境改善の市民運動にくわわり、そして第三勢力としての「緑 の党」を再建に手を貸すべきではないかと考えていますが、みなさんの意見をう かがいたいと思います。

 老人党はあくまでも仮想政党です。ここを使って仲間を募り、現実の活動をする のは自由です。いくつかの現実の活動がありますが、そのような形の活動が増え ていくのも、これからの可能性ではないかと思いますが。



7月12日  参議院選挙結果の感想

 感想を二つに分けて書きます。


 「形の上では二大政党時代到来だが」

 老人党に賛同してくださったみなさん。選挙の開票速報を見てどう思われました か?
 ぼくですか?日本も形の上では、二大政党時代が来たことを実感しました。政 権交代がいよいよ現実味を帯びてきました。
 政権を担ってきた政治家たちも、民を怒らせてはいけない、ということを実感し たでしょう。いや、まだ、実感していないかな。それを感じさせるほど,徹底した、審 判とはいえない選挙結果です。しかも、民の怒りを追い風に当選した政治家たち の、相変わらずの万歳風景や、大写しになった当選者の顔を見ながら、政権交 代は実現しても、それから先が大変だな、と思わざるを得ませんでした。一言でい いから、印象に残る発言をしてくれた政治家が、一人もいなかったのはさびしい 限りです。
 しかし、民主党が、ともかくも政権を争えるに足るだけの力を身につけたことは 確かなことです。日本の戦後政治が、新しい局面に入ったことを認めねばならな いでしょう。

選挙結果を一番厳しく受け止めて欲しいのは

 選挙中、主張の上では、共産党が、一番筋が通っていたことをいっていました。 今回ばかりではありません。共産党は、この十年間、ずっと正しいことをいってき ました。少数派の代弁者という点では、まだ役割が終わってはいないと思います。 しかし、今の選挙制度の下では、死票を山と積み、政権交代の道を、間接的に妨 害し、閉ざしてきた事実も、反省して欲しいと思うのです。

 市田書記長よ。あなたは当選したけれど、おめでとうといわれても、喜べない気 分だと思います。主張は正しかった。だが、正しい主張をしていればそれでいい、 という選挙スタイルを続けてきたことを反省しようとは思いませんか。この40年の 間に、古い同志たちは、良心派のシンボルとして、支持を続けてきたけれど、そ れが、若い力を遠ざける結果になったことを、このあたりで、反省してみようと思 いませんか。これからの時代を生きる人間が、政治から遠ざかってしまったら、い くら護憲を叫ぼうと、憲法の命運は尽きてしまいます。

 主張の正しさを主張し、他党は間違っていると断罪していたら、共同の戦線は 組めません。主張より、今の今の民意(、民の気持ち)を汲むことを忘れてきませ んでしたか。共産党が勝利することよりも、自民政府が倒れて欲しいと、いうのが 民意でした。その民意に応えるためには、あえて妥協もするという柔軟性が見せ て欲しいと、思っていたのですよ。

 世界情勢を見据えて、これから政治をどう改革していくか、戦略的な道筋を示し てくれないことに、護憲派は苛立っているのです。

 民主党は、自民党と体質は9割まで同じ。ことに憲法、軍備に関しては、もっと 危険な部分も混じっています。護憲を願う人間が、決して、安心して支持できる政 党でないことは、分かっています。もちろん中には信頼できる人もいる。しかし、そ ういう意味では、護憲的な人は自民にもいた。そういうことは分かった上で、それ でも、政権交代にかけてみようという、冒険をしたい気持ちになるのは、共産党が 変わってくれなかったからです。もちろん、変わったら共産党でなくなってしまう、と いうアイデンティティ不安も分からないではありませんが、一か八かの冒険をする つもりにならない限り、護憲の未来は、残念ながら暗い。

 これからは、ヨーロッパの「みどり」が果たしている役割をになう政党が必要にな ります。ヨーロッパの「みどり」が女性に支えられているように、女性を中心にした 環境政党が育つことを、ぼくは期待しています。共産党が解党してそれに参加す れば、文字どうりの革命ですが、それができないにしても、与野党伯仲の選挙区 では、自党の候補を立てないで、積極的に野党支持を打ち出し、間接的に野党を 応援すればどうでしょう。少なくとも、大きな議論を呼ぶことになります。それだけ で、十分に宣伝の価値があります。社民党が、既に、いくつかの一人区で、その 方針を取っていたようですが、社民党にやれることです。それをやれないものでし ょうか。それは、共産党にとって、革命的変化と受け取られるでしょう。

 与野党の勢力が拮抗したときほど、第三勢力は、大きな発言権を持ち、初めて すじの通ったことを主張し、実現できる影響力を持つことができます。そうぼくは 思うのです。そうした、第三勢力となるという意志表示を、体制をがらりと改めるこ とで示せませんか。

 そういう意味で、市田さんあたりから、感動的な反省の一言が欲しいものです。 かつての護憲勢力の老人(日本の戦後の復興は平和憲法のおかげだと実感して いる)は、志位委員長や市田書記長に助言します。これだけ議席を失ったのだか ら、他の党だったら、トップが責任を取って交代するのは当然でしょう。共産党が それをやったら、共産党は変わった、と実感させることが出来るでしょう。共産党 が一枚板であることが不安感を与えるのは、公明党が一枚岩がそうであるのと同 じです。むしろ、内部に左派と右派があって、こういうときにさっとバトンタッチでき る体制があれば、共産党への警戒感も解けるでしょう。背骨はしっかりしている が、外側は柔軟になった、と感じられて、信頼が増すかもしれません。かわが硬く て、甲穀類のような政党という、かつてのイメージから脱するのが、民から信頼を うる第一歩です。
 そして、優等生的でない、小泉が「自民党をぶっ壊す」といって人気を得たよう な、多少ポピュリスト的なリーダーが出てくる、雰囲気を作ることです。

 これがぼくの感想です。もちろん異論もおありかと思います。
 この点を、みなさんといっしょに、もっと突っ込んで議論できたらいいと考えてい ます。